the

Mosquito

Moth

Laboratory

 
 

お便り

超小型電動モスキートモス号

 この電動モスキートモス号はTORIIさんの手によるもので、製作中からその存在をメールで知らせていただいていました。TORIIさんが満足できる飛びになったという事で、MMLでも情報公開のご了解を得ました。

 例によってバーチャルインタビューの形式です。
 
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MML:TORIIさんこんにちは。以前から知らせていただいていた超小型モスキートモス号ですが、このような小型機をどうして作ろうと思ったのですか。動機を教えて下さい。 

TORII:最近は電動機の手軽さにはまっていて、先のTRSWEPやFF改EPセスナに気を良くしていました。特にセスナが良く飛ぶので、次期製作機を探していました。 

MML:TORIIさんのセスナはユニオンモデルのゴム動力フリーフライト機を電動ラジコン機に改造したものですが、非常に好調に飛行できるという報告を受けていました。この経験をもとに次の課題を探していたわけですね。では、なぜ題材機としてモスキートモス号を選んだのですか 

TORII:tokuさんとメールの交換をしている中で、超小型モスの話題が出てきて、 

    TOKU: 
      まじで、電動小型モスやっていただけるとうれしいです。 
      もちろんギャラは、ノーですが(^^;
    TORII: 
      ギャラは高いですよ?!
・・・ギャラってのは冗談としても、機体自体にとても個性があり、その低速安定性能が予想されたために作ってみようかなということになりました。 

MML:瓢箪から駒というのも失礼ですが、ひょんな事からモスキートモス号で作ろうかと言う事になったわけですね。それでは設計製作にあたって、当初目標とされことは何だったのですか。 

TORII:モスの図面を見ながらあれこれサイズを検討してみました。第一の狙いは小型化でした。実際にユニオンのFFセスナをRC化して、快調に飛ぶことがわかっていましたから縮尺は1/2と切りがいいところに設定しました。 
 第2はいつもの大前提で「お手軽(手抜き)」です。誰でも簡単に製作できるように、考えてみました。特に製作時間の短縮を目標にしています。 
また、 

  • とにかくキチンとコントロール出来る機体にする!
  • 特殊?な部材は使わない(使えないとはいっても、小型メカは高価です)
  • そのほか多くは望まない。
  • 全備重量 150g!(特に意味は無いのですが・・・)
といったことでしょうか。 

MML:なるほど。まず電動モスキートモス号であるというところから出発し、小型化というのはその次に決まったという事ですね。それに競技用機ではない以上、あまりにも製作や飛行が難しいという事になると楽しみも半減しますね。そういった中で設計で特に工夫や苦労したところはどこですか。 

TORII:これは何点かあります。なにせ面倒なことがキライで、正確な製作よりも手軽さを優先させてしまう性格から、 

  1. 主翼・尾翼をスチレンペーパーで製作してみることにしました。上手く行けば軽量化と製作手間・時間の大幅な短縮が見込めます。 
  2. リブ型は”山型リブ”にする。これはユニオンのガーデンプロフィールシリーズで採用されているもので、横から見ると最大翼厚の位置を頂点とする不等辺三角形になっています。これを採用した理由は、
    1. ユニオン機(ツインムスタング)が思った以上によく飛んだ。
    2. ムサシノ機のスカイエコーも同じで、図面の文中に館林氏が「このリブ型でも飛行性能は変わらない」と述べていた
    ということからです。逆に言うと上記の件があったので、スチレンペーパー翼を採用しました。 
  3. 胴体。モスキートをモスたらしめているのは、あの独特のトラスにありますね。これは絶対省略出来ません。基本的な構造は実機とかわりませんが、トラスの斜め線はケブラーロービングをほぐしてから、ひねって線状にエポキシで止めています。 
  4. パワーユニットは前から目をつけていたPOT02Aで決まりです。 
  5. メカは最軽量を調達しました。 
MML:うーん、やはりたくさん工夫が入っていますね。こういう事を考えながらあれこれと考えを巡らしている時がまた楽しいんですよね。ま、MMLは今そればかりになりかけていますが(苦笑)。さて実際、製作で難しかったところはどこでしたか。 

TORII:それが今回はないんです。一番時間がかかって面倒くさかったのは、1/2の寸法を割り出す事でした。主翼をスチレンで作ったこともあって、製作日数は2時間/日で4日、結構手抜き?です。 

MML:テスト飛行の結果はどうでしたか。また、不具合は何がしか出るのではと思いますが、それはどうやって直しましたか。 

TORII:初飛行は無理やり休日に間に合わせた為、モーターの慣らしが無かったせいか、アンプのせいかはわかりませんが、UPを引いての低空周回飛行しか出来ませんでしたが、とにかく飛行は成功しました。 
 セカンド飛行では発進速度が必要と、力を入れて手投げしたら見事に墜落修理となりました。 

MML:なるほど、やはりTORIIさんも初飛行に近い時は力みすぎるんですか。しかしうまく直せたわけですよね。最終的な飛行ぶりについてどうですか。 

TORII:前回までの教訓から今度はバッチリです。再度のテストでは初飛行で浮く事はわかっていましたので、セカンドテストの手投げ失敗だけ気をつけて手投げしました。 
安定性には目を見張るものがあり、静粛性も高いです。舵を切ってもニュートラルに戻せば、自然に水平飛行になります。飛行速度はモスキートモスそのものです。ゆっくりも速くも飛ばせます。飛行時間は約4分です。それからは快調に上空飛行や低速飛行をこなしています。 

MML:大変好調のようですね。また違った趣のモスキートモス号の楽しみ方が確立されたような気がします。それでは、今回の小型機作成と飛行を総括してどういう点が楽しかったでしょうか。これからチャレンジする方にメッセージをお願いします。 

TORII:この手の小型機の製作は、 

  • 狭い場所で作れる。 
  • 材料費がかからない。 
  • 部屋での保管が楽。 
  • すぐ作れる。 
ところがいいですね。メカやパワーユニットも、このくらいの大きさには十分過ぎるメカが揃ってきたので、失敗しにくい環境だといえるでしょうね。 
欠点は小型なので、軽量を心がけないといけない事と、細かいので気を使う事でしょうか。あと小型メカが見た目に較べて高価な事ですね。 

 飛行については、風に弱いので気象に左右されやすいですが、機体が小さく、飛行速度も遅いので他人に恐怖感や圧迫感を与えないことは最大の利点ではないでしょうか。落して壊してもショックも小さいです。 
 ただしいくら小型といっても飛行空域はサッカー場くらいは必要ですから、気をつけて下さいね。ハンドキャチは楽に出来ますが。とにかく思ったより簡単で良く飛びますから楽しいですよ。 

MML:ありがとうございました。MMLでもM型の計画があります。大いに参考にさせてください。 

 なお、TORIIさんからはなんと、1/3モスキートモス号のレポートも頂いています。追って公開できる見込みです。 
 

 

飛行の模様。スローぶりが伝わってきますね。 
 

 

ケブラートラスが良く分かります。 
 

 

改めてそのサイズが認識できます。 
 
 

 
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