the

Mosquito

Moth

Laboratory

 
 

番外編

紙飛行機風みんなで楽しむグライダーの開発改めさくっと作る面白グライダー(製作進行中)

 
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コンセプト 

家庭内天候不順による竜巻の関係で、おおっぴらにラジコンが出来ない環境になってしまっているのですが、子供をダシに使ってなんとか面白いことはできないかと思案しています。     

 アイデアの1つとして、紙飛行機型グライダーと言うことを考えています。これは中学生の頃考えていたアイディアで、超安価超簡易ラジコン飛行機です。     

 すなわち、折り紙飛行機でよく飛ぶものを拡大してラジコンにしたらいいのではないかということです。スチレンボードで組み立て、剥き出しの2チャンネルメカニズムを積み、ショックコードやモーターで上空に上げます。後はのんびり滑空を楽しむという寸法です。中学生当時はCOX02か049を使おうと考えていました。今ならミニ四駆モーターなんかで飛ばすと言うのがよさそうです。     

 こういう凄く簡単な飛行機と言うのも誰でも作れて面白そうだと思います。       

仕様 

  • スチレンボードで組み立てる、簡単な構造。
  • サイズはラジコンと小型フリーフライトの中間的なもの、スパン900〜1000mm
  • クラフトテープ(ガムテープ)で表面を補強し、強度を確保する。
  • フリーフライトだが、ラジコン化もにらむ。 

詳細 

  • とにかく簡単に作りたい。無尾翼機が望ましい。
  • 胴体もない方がいい。デルタ翼機が好適。
  • 手投げだと限度があるし、誰でも上手にとは行きにくい。ショックコードを利用したい。
  • モデルはリピッシュDM1に決定。
さあ、製作です。    

材料

  • 5mmスチレンボード
  • 高性能ニットークラフトテープ
  • 発泡スチロール用接着剤
  • 5分硬化型エポキシ接着剤
  • 針金
  • 輪ゴム
  • 水糸

作り方

とにかく三角なので簡単です。まず、幅900mmのスチレンボードの真中に印をつけて、そこから左右の角に渡って切り離せば主翼は出来ます。端から30mmずつ切り取り、その部分をエレベータとして使います。    

 垂直尾翼は、切り離した三角の切れ端を、長辺を底にして頂点から垂直に切り落としてやり、また端から30mm切り離します。その部分をやはりラダーにします。    
あとは、ひたすら高性能クラフトテープでプランクします。裏面は全面、表面も強度を考えて補強します。    

 垂直尾翼は主翼に取り付ける部分にサポートとなる部分を貼り付け、乾燥後にやはりテープで補強し、エポキシ接着剤で主翼に取り付けました。    

フライト

重心位置がよくわからなかったので、結構前重心にしてみて滑空テストしますが失速してしまいました。エレベータアップは縦安定のためにあまり少なくすることは出来ませんので機首に鉛の錘を取り付けました。が、これも総重量はおそらく220gはあったと思います。非常な前重心にならないと滑空しません。全備重量は400gを超えていると思います。    

 滑空もかなり抗力が大きな感じで、まるで伸びていきません。これではあまりにも低性能です。    

 さらに上反角が0のため、バンクすると復帰することが出来ず、スパイラルに入ります。ラダーもあまり効きません。    

 輪ゴムをつないだショックコードで飛ばしてみますが、だいたい4,5mくらいの高度にあがりますがなんといっても予想よりはるかに重いので輪ゴムでは弱すぎます。仮に強力なショックコードを使っても、この滑空ではちょっと遊べないと思います。    

問題点の推測

 矢高は平板翼なので0ですが、無尾翼ですのでエレベータアップによって反転カンバーの効果を受け持っています。以前のTLX2−2のときも、反転部分がきちんとあるものは抗力うんぬんよりもはるかによい滑空をしてくれましたので、反転カンバー翼型になるように修正を試みたいと思います。    

 重心位置は、垂直尾翼があまりにも巨大であることが後ろ重の原因であることは明白です。ですがこれがDM1のトレードマークでもありますので、可能な肉抜きなどで軽量化を図りたいところです。    

 上反角はないとどうしようもないので、何とかしてつけたいと思います。熱で炙るか折り目を入れるか、目下検討中です。    

 今回の目的は「模型飛行機マニアでない人に楽しんでもらいたい」と言うのがコンセプトですので、あまり難しいことはしたくないのです。あえて性能を幾分追求するのなら、発泡スチロールをコアに、プランクするか補強してクラフトテープで巻くかしてザギーのようにしてしまうのが相当軽くなるでしょう。これも面白そうではあります。    

感想

いくらお手軽飛行機とはいえ、結構がんばって作ったのにあんまり行かないとがっかりですね。自分は意地になって飛ばすようにしたいほうですが、今回のコンセプトから行ってもそれは趣旨から外れそうなので、あくまで自然にすんなり飛ぶような設計が望ましいですね。    

 上反角は必要なのですが、折り目を入れ、高さを測り、エポキシで固定すると言うプロセスが「マニア」でない人でもいけるのか、確固たる回答は持ちえません。まあ、いずれにしても飛ぶのが先決ですね。    

 それと、実験工房のSekiaiさんから、デルタ翼は翼端をひねり下げると急によく飛ぶようになると言う情報を頂きました。要検討です。    
(写真は近日追加します)    
    



2001/09/16   
とりあえず自律安定性を確保するために、翼型をSキャンバーになるようスチロールをスライスして貼り付けてやろうと思います。そのためにはスチロールカッターが要るのですが、以前無尾翼TLX2−2を制作したときに熱線を強化したのはいいのですが、電源が貧弱だったので仕上がりが非常に汚くなりました。   

 今回は電力アップを図るため、鉛蓄電池を持ち出してきました。これは今は置物となっているスーパースポーツバイクGSXR1100のバッテリーです。かなりくたびれていたようですが、補液して充電してやれば、いいところまで回復してくれたようです。これがあれば十アンペア位流すことができるのではと思っています。   

 さらに、この際性能をある程度見込んだデルタ翼機もいっしょに作ろうかと思っています。翼型はCJ3406あたりの無尾翼用を使用して今度こそ安定に飛ぶようにしたいです。

  
第1号機。どこから見てもDM1そのもの(?_?)  
  
 
 
2001/10/3  

とりあえず、コンセプト変更

 リピッシュデルタのあまりの滑空の悪さ(=私の設計のまずさ)に嫌気が差し、これを改良する前にいっちょう本格的な(大きさの)グライダーを作ってみたいと思い、スチロールコアを切りはじめました。  

仕様

  1. 翼型:CJ3406
  2. コード25cm(中央翼)、15cm(左右翼翼端)
  3. スパン205cm
で、スカイウォーク2の主翼をデフォルメしたようなものです。  
   
 全翼機で、胴体は無く、垂直尾翼は1枚です。  

 私の家と車にとっては、あまりに大きいので胴体中央で分割できるような構造にします。  

スチロールの切り出し

 ムサシノ通信の、きむらさんの解説記事を参考にしました。リブはバルサを糸鋸で切り出したものです。  

 予定ではさっくりときれいに切れるはずだったのですが…  

 熱線が引っかかるごとに翼面に段々畑が出来てしまいます。おまけにテーパーの部分は間違って翼を切断したり、散々でした。  

 しかしいくら不器用な私でも学習効果があるようで、何枚も切りなおしながらも形になってきました。  

 CJ3406は後縁がかなり薄くなり、バルサプランクならまだいいのでしょうが、ガムテーププランクなので強度が心配なのですが、やってみないと分かりませんね。  

被覆

 バンザイ防止のためにクロステープを桁代わりと継ぎ目に補強として貼ろうと思います。古川電工製のこれは、引っ張り方向に対しては、私がどんなに力んでも引きちぎるどころか伸ばすことすらも出来ないようで、これなら重量はともかくかなりの強度になるでしょう。ZAGIには幅18mmのフィラメントテープで補強するらしいのですが、貼り方次第ではこちらも相当いけるのではと期待しています。  

 被覆自体は高性能クラフトテープでフルプランク?します。食いつきをよくするためにスプレーのりを吹いてやることにします。  

 もともとそんなに大きなものを作るつもりは無かったのですが、無尾翼翼型はレイノルズ数の関係でコードを大きくすべきということがあり、必然的にスパンも伸びることになりました。  

 スパン2mのフリーフライトライトプレーンです。ラジコンでないのはもちろん謹慎期間中だからです。もちろん「大きなトリムタブ」と「調整用リンケージ」は装備しますよ。



2001/10/12
 とりあえず、クラフトテープでのプランクが完了しました。

 コツとしては、重ね合わせの幅を十分に認識しながら作業をすることと、テープを密着させるように張ったあとでよくしごくことです。

 全面をべったりとテープで覆ったスチロール翼はそれまでと比べ相当に頑丈にはなったようです。しかし、この工法ではあまり薄翼の翼型には向かないようで、ある程度厚みがある翼型のほうが頑丈に補強されると思います。今回のCJ3406は7−8%くらいの翼型でかなり薄く、もう少し強度が欲しいところですが無理をしなければ何とかなると思います。

 重量もかなり増え、バルサプランクのものと比べるとどちらが重いか試さないと分からないと思います。重量が重要なものにはこれは使わないほうがよさそうです。

 とはいえ、翼面積45sq.dm、効率が70%としても31.5sq.dm相当ということは、450gまでなら結構いいところまでいけるのではないかと思います。現在の重量が120gとしても、軽量メカなら全備200gは楽にいくと思います。つまり6.3g/sq.dm程度になるかもしれません。

 あとは垂直尾翼のデザインをどうするかですが、中央に1本立てるか、翼端に立てるか、迷っています。

 それにしても、結構かっこよく出来たと思うのですが。これならリブ組みで作っても楽しそうです。
 

  
これがCJ3406翼型。下面は殆どストレートであり、フラットボトムと呼んでもよさそうなくらい。リフレックスもごくわずか。これで安定して滑空するから大したものです。  
  


  
切り出した発泡コア。まだまだ修業が足りません。  
 

 
2001/10/13  

完成

 被覆を完了し、竹ひごのノックピンを装着、左右翼の分割をクロステープでとめ、即席で作った胴体と大きな垂直尾翼を主翼にクロステープで固定します。  

 この状態で重量300g、翼長1.9m程度となりました。  

テスト飛行

 完成したので、自宅下の駐車場でテスト飛行しました。  
 

調整について

 重心位置が非常に重要かつセンシティブです。本機の場合主翼前縁より65mmの位置で安定飛行するようになりました。この状態にするために、機首に120gのバラストを搭載しています。また、主翼後縁を心持ち上に(1mm未満と思われる)反り上げ、上記重心位置と釣り合いが取れました。 
 

滑空について

 実効翼面積を70%程度と見積もると(カンです)、翼面荷重は15g/sq.dm程度となりますが、その割に速度が出ます。逆に低速では容易に失速してしまい、性能が出ません。速度を取り過ぎると頭上げが起こり、これは重心位置との関係かと思うのですが、いずれにしても頭が上がると比較的容易に失速します。本機の場合あまり頭が上がらないように滑空させるのが良いようです。 
 最適な滑空角で滑空すると、心持ち速めの速度で相当の距離まで飛びます。また地面効果がかなり顕著に出るようで、地面すれすれでスーっと伸びるのは他の無尾翼機でも経験していますが、やはり独特のものです。 
 

ピッチ安定について

 見た目の不安定さとは裏腹に、十分な安定を確保しています。フリーフライトとしてはもう少し強い安定の方が良いでしょうが、ラジコン機としてならもう少し安定を弱めても大丈夫と思います。 
 無尾翼機の縦安定は前重心と主翼後縁のアップの釣り合いによる、やじろべえのようなもののようです。安定性を重視するあまり重心を前に置き過ぎると、後縁のリフレックスないし上げ舵は必然的に大きくなり、あたかも重い重りを下げたやじろべえのように、バランスはしているがそれを崩すのは大きな力が必要となり、舵の鈍さ、抗力の増加、失速しやすさにつながり、好ましくないようです。 
 

ヨー/ロール安定について

 上反角がかなりあり、ロール安定はフリーフライトとしても十分のようです。上反角と大翼面積、小モーメントアームに対応するために垂直尾翼はかなり大きいですが、ダッチロール、螺旋不安定ともに問題ないようでした。 
 

結論

 好結果といって良いと思います。これならバルサ組みで作ればかなり楽しめそうです。 
 もっとも本機は結果的には成功とは言えません。主翼強度が不足し、右翼が中折れしているようです。翼型が薄いものなのでスチロールコア、ガムテーププランクでは曲げ強度が絶対的に不足しているようです。数十回の飛行の後に再使用不能状態となってしまいました。 

 本機は紙飛行機的お手軽さからは程遠いですが、薄翼低リフレックスの後退角なし主翼で安定飛行が可能であることを確認できました。

  
完成した実験機OSG2号  


  
このように、本当に飛んでいます。うーむ。  
 

 
 

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