the

Mosquito

Moth

Laboratory

 
 

巨大主翼仕様「モスキートモス号HW(HugeWing)」の計画 その3

 計画開始 2000.9.28
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2001.01.01 

 元旦にもかかわらずかなり作業しました。 

 年末の遅れを取り戻すべく、今日はかなり詰めて作業を行いました。まず、尾翼のアタッチメント用金具をアルミアングルを切り出して作成しました。それなりに軽量ですが十分な強度を持っているようです。 

 さらに胴体サブマフラ部分を半完成まで持っていきました。筐体はそれなりに出来上がったのですが、インレットマニフォルドとエグゾーストパイプの加工の方が案外と手間取りました。インレットは90度曲げ、筐体内に入れる部分はフランジ加工しました。初めはプライヤーで曲げようとしていたのですが、潰れるだけだったので、カセットバーナーで炙り、ゆっくりと曲げました。フランジはドライバーの軸を突っ込んでこじるだけで案外とうまく出来ました。これを接着部分に補強を入れてからエポキシ接着剤で固定しました。 

 またエンジンマウントも組み立てました。マウント部分にエンジンマウント側板の厚み分だけ切り欠きをし、接着して釘打ちしました。ここでも糸鋸が役に立ちました。 

 また昨日は更新していなかったのですが、胴体前後の本接合と胴体のエポキシによる補強を行いました。加熱液化した30分エポキシで浸透接着を行い、非常に強固になりました。 

 トラス胴は短いですが、ノーマルよりもピッチの短いトラス組となっています。今回はノーマルと同じサイズのヒノキ棒ですが、むしろここは細い材料で細かく組んだ方が美しいのではと思います。しかしそうすると重量的には不利になるでしょう。 


 
接合の完了した胴体。心配していた狂いもなかった。 
 

 
細かく組んだトラスはやはり美しいです。

2001.01.02 

 今日はサブマフラーアッセンブリに耐燃料塗装を行いました。 

 耐燃料塗装といっても30分エポキシをエンジンシンナーで薄め、刷毛で塗っただけです。初めはなかなか溶けずにこれで大丈夫かと思いました。しかし塗り終わり、シンナー分が蒸発してから数時間経つとエポキシが硬化してうまくコート出来たようです。 


2001.01.03 

 サブマフラーにシリコンコートしました。しかしこれは失敗でした。 

 シリコンシーリング材をコーキングガンで押し出し、コーキング用のヘラで薄く塗り延ばしました。しかし、それでも結構な厚みになったようで、重量が一気にかさんでしまいました。 

 サブマフラー単体で胴体前後と同じか、それよりも重いようなのです。シリコンシーリング材はかなりの重さを持っていて、接着力はバスコークに比べかなり弱く、ラジコンに使用するのは少々難しいようです。 

 サブマフラーのフタ(下面材)はエポキシで接着しようかとも思いましたが、この際シール効果も見込んでバスコークで接着しました。万一の切開手術の際もエポキシよりはどうにかなるでしょう。 

 今回の場合は、あと1,2回エポキシを塗り込むか、ウレタンでも塗った方が重量の面からも断然良かったと後悔しています。まあ、やってみないとこう言う事は分かりませんが…。また、アルミ板でサブマフラーアッセンブリを組み立てても軽量で燃料の心配もなく良かったのかもしれません。 

 後はエンジンマウントの整形をやったくらいで、あまり作業的には進みませんでした。 

 あまり進まなかった原因は天拝山に登ったことですが、めでたいことに御自作天満宮を発見しました。今まで気づかなかったのが不思議なくらい分かりやすい場所でした。詳しくは、詳しくないですが、雑報に書きます。

 
これがサブマフラーアッセンブリの半完成品です。 
 

 
インレットマニフォルドのフランジ加工部分です。がっしりと取り付けることが出来ました。 
 

 
見にくいですが、シリコンシーリング材を全面に塗布しています。 
 

 
フタになる下面材はバスコークで接着しました。相当強力に接着できます。



2001.01.07 
 小物関係の製作を行いました。 

 まず、メインギアを取り外し式にするための止めビスを受ける部分をシナベニヤから製作しました。糸のこ盤で切り出しましたが簡単に切ることが出来、とても快適です。 

 次に糸のこ盤の刃を金工用に替え、カーボン板を切断します。このカーボン板で尾翼マウントネジを受けます。 

 ところがいくら切ろうとしても文字どおり歯が立ちません。1ミリくらい傷を入れただけで後は全然切れないのです。 

 しょうがないので今度は買込んでいたスパイラル刃の「フリーウェイコッピングソー」なる手動糸のこで切断しました。しかし3センチほどの切断は何とか成功したものの、この糸のこの刃も削れてしまい、あと5センチ切らなくてはいけないのにこれでは無理です。 

 そこで伝家の宝刀ドレメルを持ち出し、カットオフウィールでガリガリと切りました。これは成功でした。案外調子良く切断することに成功しました。やはりドレメルは便利です。 

 その後やはりドレメルのグラインダーで角を丸くしたりしてあとはネジ穴位置を決めてから穴あけです。 

 また垂直尾翼マウント兼水平尾翼押えのアルミアングルもドリルでネジ穴を空けました。ここでまたもや買込んでいた「オートセンターポンチ」を使って、ケガキ針でけがいた穴位置に下穴を刻みます。 

 オートポンチは昔バイク屋でスナップオンのものを使ったことがあったんですが、これが非常に使いやすいものだったのでそれを期待して買ったのです。ところが買ったものは強力すぎで下手なベニヤ板などひびが入るくらいの強力なものでした。鉄骨などにポンチするための道具だったのかもしれません。 

 まあいずれにしてもうまくネジ穴を空けることに成功しました。 

 どうも年が明けてからあまり作業が進みませんが逆に言えばエンジンマウントを取り付け、尾翼マウントを取り付ければ生地完成になります。 

 今日は道具の機能評価みたいな作業でした。 



2001.01.11 
 ここ2,3日は大きな動きはありません。尾翼などの全縁R加工、ヒンジ取り付け部加工、平面出し研磨、瞬間浸透接着による補強などいろいろなことをやっています。相変わらず多忙で、作業着手は1時を回った時間からとなり結構きついものがあります。 

 細部の仕上げなどは片手間に削ったり磨いたり出来ますので、一気にまとめて出来なくともチョコチョコとやっています。 

 チョコチョコといえばエンジンマウントの耐燃料塗装はウレタンでやろうと思うのですが、これも乾燥、そして本硬化に時間がかかりますので早めの着手を考えています。 

 どうもこう、体力が極限に近いところまでやっていると大きな作業がだんだん面倒になってきて小さい作業に流れてしまいます。まあしかし、小さい作業も必要なのでそれぞれ出来る(乗ってる)時にやるのがいいようです。 



2001.01.17 
 尾翼マウント部分の工作を行いました。 

 このところ作業に着手できていなくて進捗が遅れっぱなしなので、何とかしようとアルミアングルの尾翼マウントを組み立てました。垂直尾翼には3ミリバルサを両側から挟みつけてビスで締める形にしました。 

 ところがこのアルミアングル、手に持った感じは軽くてよさそうだったのに、いざ垂直尾翼を組み立ててみると異常に重い感じがします。正確に重量を測ったわけではないのですが。 

 重心位置の関係もありますが、もし後ろが重すぎるなら真っ先に軽量化すべき個所になりました。 
 

 


2001.1.18 
 ランディングギア着脱用のナットとその取り付け台の加工をやっていました。 

 ランディングギアはムサシノのノーマルギア取り付け材の三角差込部分を接着せず、ギアを差込み、これを押し込んだあと菱形のアルミ板をビスで取り付け、抜けを防止するという構造にしようと思っています。 

 このアルミ板固定用ビスの受けが「鬼目ナット」です。これは筒状のナットの外周に棘がたくさんつけてあり、木材に打ち込むとこの棘が食い込んでネジを締めることができるようになっています。経験者談によると、鬼目でもあまり締めたり緩めたりしていると土台の木が傷んできてバカになるんだそうです。むしろつめ付きナットが良かろうとの事でしたが3ミリ、4ミリといった小さいサイズの部材が入手できなかったのでこれを使いました。 

 シナベニア2枚がさねのものにドリルで穴を開け、ヤスリで穴を拡大してきつく入るようにしました。プライヤーで押し込み、最後はハンマーで軽く叩いて完成です。しっかりと固定されたようです。 

 またカーボン板に穴をあけようと思ってキリでしつこくチャレンジしていましたが、結局傷しかつきませんでした。 

 傷といえば、エッチングペンなる罫書き針のような鉄の鉛筆があるんですが、これでカーボンに罫書き線を入れましたが大変使いやすかったです。半年くらい前に買っていたんですがやっと実戦使用しました。うちにはこんな眠っている道具がたくさんあります。 
 



2001.01.22 
 尾翼マウント等の加工と耐燃料塗装をしました。 

 尾翼マウントは以前から出来あがっていたカーボン製マウントにドリルで穴を開けるだけの作業なのですが、普段は作業が深夜しか出来ないので土日の遅くない時間帯に電動工具でやらなくてはならず、のびのびになっていたものです。 

 例によってカーボンは異様に硬く、ドリルとは言えそう簡単に穴が開きません。ドレメル3万回転で無理やり削り通したという感じで穴開けを行いました。ですがビスは4ミリ、ドリルは3ミリで、探せば一応ドリルセットがあったんですがどこかにしまいこんでいるので、やすりで穴を広げました。時間がかかりましたがうまく開けることが出来、ガタもなくマウントできそうです。 

 ここで問題発生です。使用予定の蝶ナットを取り付けると胴体と干渉して取り付けできないのです。いまさらカーボンマウントを再製作するのもいやだし、ここは出来るだけ簡単に取り付けたいのです。思案したのですが、どうも良い方法がありません。胴体をナットに合わせて削るという方法もあるのですが、ここはあきらめて普通のビスナットか、キャップボルトで締めようかと思います。 

 またメインギア取り外し機構の留め金を1.2mm厚アルミ板を切断して作りました。これは糸のこ盤で切り出しましたがまだ慣れないため、のこ刃を折らないかとても気を使う作業になりました。ですが仕上がりはまあまあきれいでした。練習第一ですね。 

さて次にエンジンマウント周りその他の耐燃料塗装です。東邦化研エンジンウレタンを使用しました。これを指定混合比で主剤と硬化剤を混合し、エンジンシンナーで倍くらいに薄めて使用しました。当然エンジンマウント周りは何度も繰り返し重ね塗りします。他にもキャビン開口部や胴体下面など危なそうなところには予め塗っておきました。 

 次の作業は、 

  1. エンジンマウントの接着、ラジアルマウントの装着(10分+10分)
  2. 尾翼翼台の接着と完成(30分)
  3. 主翼取り付け用ダウエルの取り付け(10分)
  4. 主脚取り付け材の整形加工(30分)
  5. エレベータの左右をピアノ線で接合(30分)
  6. 尾輪の製作(30分)
  7. 主翼プランク失敗部分の補修(1時間)
  8. 主翼前縁の補修と各部サンディング(1時間)これは前縁がえらく角張っているので5ミリ材を貼り付けて研いでやろうと思っています。
 ここまできてやっと生地完成です。合計予想時間4.5時間、ちょうど今週1週間分でしょうか。今度の土日は業務関連のため製作が出来そうにありません。 

 しかしそのあとはフィルム張りとメカ搭載で1週間以内で初飛行となることでしょう(?最近予定には自信が持てません) 

 我ながら「板の穴あけ」「塗装」しただけなのにこんなに原稿書いていいものかと思います。もっと簡潔な記述を心がけるべきですね。 
 



2001.01.29 
 主翼前縁に整形材を貼り付け、整形しました。 

 特に工夫はないのですが、バルサカンナでざくざく削り、サンディングブロックで丸く整形しました。 

 サンディングブロックは中目ですがとてもよく削れる製品で、ペーパーとブロックが貼り付け式になっているものを買っていました。よく削れて長持ちとかかれていましたが本当にそのとおりでした。 (追伸:タジマという会社のサンダーブロック中目スタンダードです。恐ろしくバルサが良く削れます。寿命もペーパーとは比べ物にならないようです。ちょっと高くて400円くらい) 

 カンナで削りすぎて若干尖らせ過ぎたような気がしています。前縁が尖ると、少ない迎角なら抵抗が少なくてよいが、仰角が大きくなると早く失速が発生して扱いにくいと読んだことがあります。少し大きめの丸にしてやらないといけないようです。 

 それとプランク材がリブから離れている部分があるのが気になりまして、これも近日手術するつもりにしています。 
 



2001.02.02 
 このところやはり多忙のためほとんど作業が進みません。唯一エンジンマウントにビニローゼ塗料をこれでもかと重ね塗りしている状態です。最終的には塩ビ接着剤でコートしようと思っています。 

 今晩は1ヶ月ぶりのフライトに備えるため、破損した1号機の胴体を修理するつもりですので、またまた完成が遅れます。 


 
2001.03.19 
 とうとうHW型が生地完成となりました。 

 これまで散々悩んでいたことについては、少々後ろ向き?ともいえる対応でさっさと片付けることにしました。 

 まず1つめが、尾輪をどうするかと言うことです。自由なタキシングをしたいところですが、尾翼が取り外し式であり、これと尾輪を取り付ける構造がまとまらず、またサーボもマイクロなのでショックも心配なところがありました。結局普通のそりにしました。 

 次に、二分割にしているエレベータの接続です。エレベータ自体がまるで剛性が足りない作りになっているので、普通にやったら左右非対称にねじれる事が避けられそうになさそうなので、この際2サーボで左右のエレベータをそれぞれコントロールすることにしました。また、ラダーとミキシングして、エルロン動作(エルロンベータ−?エレベータロン?エレボン?この際どれが正しいのでしょうか)も出来ることになりました。のちのAD型のための経験になります。 

 また、いつも壊してしまうトラス胴の上下に、ケブラーを低粘度瞬間で貼り付けました。 

 写真はまだとっていませんが、改めてみるとすごい機体です。むしろ無尾翼機というぐらいの巨大な翼です。近日掲載予定です。 



2001.03.22 
 写真をアップしました。まずはご覧ください。 
 
 
こうやって正面から見ると、何のことはないモスキートモス号に見えますね。しかし、床に映る不気味な影は… 
 

 
これが正体です。製作者ですら不安になる無茶なデザインです。 
 

 
尾翼の翼長は900ミリを超えています。 
 

 
巨大なんだけど主翼のせいでそうは見えない胴体と、これまた巨大なサブマフラーです。 
 

 
こんな感じになりました。 
 
 


2001.03.28 
 水平安定板の被覆を行いました。 

 結論から言うと、「水平安定板の設計ミス」と言えます。 

 オラライトブルーを使用して被覆したのです。ブルーの張力がどのくらいなのかは分かりませんが、オラライトの場合黄色が一番強く、紫が一番弱いと言うのをどこかのサイトで見た覚えがあり、若干強度的に余裕がありそうな水平安定板をブルーにしてみたのです。 

 ところが、被覆している途中から反ってしまっていました。反対を張れば直るかと思っていたのですが、今度はねじれがかなり顕著に出るようになってしまいました。 

 反りを直そうとオラライトを加熱して収縮させると、ねじり方向の力に変換されてしまっているようでねじれてしまいますし、桁そのものが熱で曲がってしまいます。ちょうどライトプレーンの竹ひごをあぶって曲げるようなものです。 

 これは、ねじり剛性、曲げ剛性に対する設計段階での誤りです。標準の2倍のモーメントを持つこの尾翼は、標準と同じ強度の部材では剛性は全く不足であるということを実証しました。 

 何とかだましだまし水平に近くなるまで修正を加えていました。 

 強度的には、オラライトでかなり確保できたようではあります。中心部分を持って思いっきり振り回したり扇いでも妙な音はしませんので、飛行中に空中分解というのはフラッタ−でなければなさそうです。第一それほどの高速飛行をするつもりもありません。 

 現在は張線の取り付け方について検討しています。 

 今日の夜は昇降舵、垂直安定版、方向舵あたりまで行けるのではと思っています。それと、やはり垂直尾翼の面積がどうも少なすぎるのではという気がしてきています。方向舵につりあい部分を拡張して、若干の面積拡大を行おうかと思っています。また、背びれ(ドーサルフィン)を設けて、方向安定性を更に確保しようと思います。 
 
 

 
2001.04.04 
 最近また多忙のため作業が難航していますが、それでも被覆を行っています。 

 現在、尾翼の被覆が終わり、固定フラップを被覆しているところです。 

 今回の機体はキットではなく、ディメンジョンも自分で決定したものですが、被覆の段階で強度不足が露見しています。 

 まず、水平安定板が下向きに反ってしまいました。これはプランクを上面だけにした関係で、下面側はプランクが桁全体に密着せず、フィルムが収縮する時の力が桁全体に一様にかからなくて両端部分のみにかかったため曲げの力が発生したものと推定しました。強度はともかく、このように被覆面の間に強度の差が大きく、絶対的な強度がギリギリの場合、曲げ、ねじれが問題になると思われます。 

 また、更に強度がないと思われる昇降舵舵面はなぜか極端なねじれなどがなかったのですが、これはオラライトのパープルを使用したことによるのではないかと思いますが確証は取れていません。 

 今回の経験から、再度同じような巨大な水平尾翼を作るとすれば、 

  1. フィルムの収縮を考慮に入れ、ある程度の強度を確保しておく。
  2. プランクを張る時は、強度的アンバランスに配慮する。
 感触から言えば、90センチもの尾翼を作る場合は、主翼を作るつもりで製作したほうがよさそうです。また、今回は空力バランスタブを極端に大きく作っていますが、これもあまり大きくない方がよさそうです。 

 しかし、作ってしまったものはしょうがないので、とりあえず張線をうまく張って、強度を確保するしかないでしょう。 

 ただ、Vテールに作り直せばという考えもあるんですが…折角取り外せる尾翼なので、ここは作り直すのもいいかもしれません。 

 それと、オラライトクロームを主翼上面と固定フラップ上面に張るつもりですが、現在固定フラップに張ったところではかなりきれいに張るのが難しいようです。しわやゆがみを通常のもの以上に注意する必要があります。 


2001.04.08 
 本日も出勤です。そんな調子でまるではかどりませんが、それでもでんでん虫くらいの速度で進行しています。 

 現状は主翼の被覆が6分の4完了しています。主翼上面が張り終わり、下面右翼が出来上がっている状態です。 

 オラライトクロームですが、やはりしわにならないように注意して張る必要があります。しわのままアイロンで収縮させようとすると、しわの跡が残りやすいです。また高温のアイロンを使うと艶が変な感じになったりもしました。やはり、周辺をピンポイントで張りながら、引っ張ってしわのないようにするという張り方をしないと駄目みたいです。 

 だんだん見慣れてきたせいか、翼の大きさは気にならなくなってきましたが、でも上面全体がクロームでぎらぎらしていて結構凄いです。 

 今日の夜にも主翼が完成して、あとは胴体を張るということになりそうです。 

 もう一息… 
 



2001.04.18 
 今回は短信です。まず、主翼、尾翼の被覆が完成しました。また胴体もあと3日程度で完成しそうです。このあとは尾翼の組み立て、メカ積みというところで、あまり大きな作業はありません。 
 

2001/04/27 
 主翼が小破してしまいました。まだ飛んでもいないのにです。 

 それは突然のことでした。家に帰って何気なしに主翼を見ると、普段の置き方とは反対向きにおいてありました。よく見てみると、左翼翼端前縁部が潰れています。 

 多分風か何かでたんすの上から落ちたのでしょう。ちょっとショックでしたが致命傷ではないようなので、フィルムをはがし、バルサの切れ端を詰め、低粘度瞬間接着剤で浸透接着してからカーボンマットで補強しました。何とか復旧は出来ました。 

 さっさとテストに持っていかないと、飛ぶ前に飛べなくなるかもしれません。 
 

 
2001/05/06 
試験飛行しました。以下はムサシノ掲示板に書き込んだ内容です。 
 

 半年以上掛かってやっとテスト飛行にこぎつけました。速報と言う事で簡単なレポートになりますがご覧ください。 

 場所はいつもの畑ですが、時間が遅かった(10時)ためか別のグループも飛ばしてありました。バンドの確認をさせてもらってエンジン始動、御自作天満宮の方を向かって一礼してから滑走離陸を試みます。 

 ところが機体は大きく右に左に取られてしまいます。巨大(85mm)タイヤのせいか、脚が曲がっているのか。2度目の滑走を失敗し、側溝に落ちておニューのジンガー9−5ウッドペラが欠けてしまいました。 

 仕方ないのでAPC9−5に交換、手投げ発進です。 

 エンジンはOS15LA、巨大胴体サブマフラーのおかげか排気音はかなりおとなしく、10のサブマフラー仕様と殆ど変わりません。 

 手投げのため助走して投げようと思う前に、重量がゼロになりました。そっと放すように、手投げ!機体は何とか飛んでいます。いや、浮いています。重心がとても後ろになり、とんでもない不安定さです。まさに飛ぶというより浮くという感じです。 

 なぜか片方のエレベータが反対に切れています。よく見てみると釣り合い部分がもげていてぶらぶらしています。ですが巨大舵面の効果か何とか飛行を継続、凄いピッチングですが旋回して飛んでいます。 
やがて反対側の釣り合い部分も同じようにもげてしまいました。明らかに強度不足です。 

 このままではいずれ墜落と見て、草の上に強硬着陸しました。 

 ちょっと頭を抱えましたが、持参したカッターで折れた釣り合い部を奇麗さっぱり 
切り落とし、機種にはバラスト代わりに小石をくくりつけ、蛮勇奮って再度飛行です。 

 今度は何とか安定して飛んでいます。ですが舵角が大きいせいと水平安定板がやはりぐにゃぐにゃなので、舵が逆ぎきしているようです。重心もまだまだ後ろ過ぎるようでした。 

 それでも操舵量をごく少なくすることでどうにか飛ばせるようになり10周くらい場周しました。最後はエンストで麦畑にドスン、でした。 

 1回目のラフランディングのせいで、メインギアのマウント部が割れてしまいました。主翼は特に破損しませんでした。 

 エレベータをどうにかすれば、そして重心をあわせればなんとかなりそうです。 

結果

  • 飛行できた。
  • 重心位置が後過ぎた。
  • 水平尾翼の強度、剛性がまったく不足している。
  • 水平尾翼の面積を更に増やした方がよさそうだ。
  • 全備重量は1.35kg、主翼は何とノーマルの60g増の280gにとどまった。
  • 低速飛行性能はノーマル機とほぼ同じかやや優れるくらい。
  • 当然だがかなり強力な揚力を発生。
  • これも当然だがかなり抗力が発生しているようで、速度は出ない。
  • 上反角によるダッチロール傾向は、特に感じない。
  • 上反角効果による旋回性は、ノーマルとほぼ同じ。

感想

 何といっても自分で作っておきながら飛ぶとは信じられませんでした。 

 一人悶々として、墜落したことにしようかな、とかけっこう馬鹿なことを考えていましたが、やがてそれにも疲れてきて今日の飛行になったわけです。 

 思い出せば2号機SL型モルフォもそうでしたね。 

 しかしエレベータがもげているのに気づいた時には、とっさに鳥人間コンテストで\(^o^)/してしまうチームを思い出しました。今度からはテレビを見ながら笑わないようにします。 


 
壊れる前に記念撮影。 
 

 
本当に飛んでいます。 
 

 
揚力はかなりあるようです。

2001/05/07 
テスト飛行の結果を踏まえ、出てきた問題点は以下の3点です。 
  1. 重心位置が後ろ過ぎる
  2. 水平尾翼の剛性がなさ過ぎる。また面積が不足。
  3. メインギアマウント部の強度が不足。
1.については、まず尾翼マウント材のアルミアングルが重すぎるのはほぼ間違いないところですので、これを廃止し、垂直尾翼は水平尾翼に固定、水平尾翼の押さえをカーボンで作ると数十グラムの軽量化が出来ると思います。 

2.ですが、強度を確保しようとすると1と相反することになります。単純な強化ではこれは乗り切れないと考えました。 

 そこで思い出したのはサントス・デュモンの箱型複葉機です。これは先尾翼でしたが、フライングテールであり、尾翼は箱型でした。 

 つまりHW型も水平尾翼を複葉にし、上下を垂直安定板で接合すれば捩れ剛性を高めることが出来るのではないかということでした。 

 しかしながらこれでは尾翼重量が2倍以上になってしまいます。さらに検討した結果、垂直尾翼から水平尾翼翼端にバルサでステーを入れ、このステーにさらに若干トラスを入れてフィルム張りを行えば、逆V尾翼としての効果も多少期待できないかということを考え付きました。もちろん既存の尾翼と干渉するはずであり、効率も落ちるでしょうが恐らくないよりはましだと思いました。既存の飛行機にはない形と思いますが、敗戦直前のドイツ空軍試作機なんかにはありそうな気もします。現在はこの案が一番有力です。 

3.については、それなりの強度で製作していたはずのものが裂けており、強度が根本的に不足していると思われました。これはメインギアが4ミリのピアノ線になり、強度が上がりすぎたこと、メインギアが長く、モーメントが大きいこと、また取り外し構造のためエポキシで封止したものと比べ強度的に不利であったことが関係していると思われます。 
 3ミリピアノ線に交換すればそれなりの弾性で衝撃は干渉されるでしょうし、長さを制限すればモーメントもましになるでしょう。この辺が考えどころです。 

 それと、大容量サブマフラーは容量の割に消音効果は驚くほどのものではなく、いつもの10FP+マジックインキ2段マフラーと大差ないように思いました。これが排気管長によるものなのかは不明です。それとエンジンがオーバーヒートしやすいように思えます。ここも要改良でしょう。 

 しかし何といっても最大の問題点は「デカ過ぎる」という一点に尽きそうです。カローラワゴンだと後部座席2人分のスペースを主翼が占領、カーゴルームは尾翼と胴体が占領した上メインギアから前は後部座席に突き出します。カローラクラスには少々つらい機体となりました。 
 



2001.05.14 
 改修工事を進めています。 

 まず、最大の問題だった尾翼は、補強と面積の拡大を兼ね、垂直尾翼と水平尾翼のそれぞれの翼端を5ミリバルサ角材で結び、それにトラス補強を入れました。これにより通常尾翼に逆V尾翼を合体させたような独特の形状になりました。おそらく、抗力はかなり増大しているものと思われますが、強度は絶対的なものとなりました。ねじっても、びくともしません。 

 胴体利用のマフラーですが、オーバーヒート傾向と重量を考え、とりあえず外すことにしました。もちろんサブマフラーは実績のあるマジックインキ仕様をとりあえず使用します。 

 また長大な主脚と巨大なタイヤは重量の低減を図り、マウント部の強度不足を補完する意味でノーマルのものを固定式で持つことにしました。 

 これらによる重量減は尾翼の重量増を引いても200gはあるのではないかと思います。エレベータサーボも1個にすればいいんでしょうが、改造が面倒なのでこのまま行きます。 

 後は重心確保のバラストがどの程度になるかに掛かってきます。 
 



2001/05/18 
 いよいよ明日は2度目のテスト飛行です。 

 前回で問題となった重心位置は、思い切ったバラスト積載で適正位置に落ち着きそうです。これまでに経験のない110gものバラストを積んでいます。いってみればまったく無駄な重りですが、うまく飛んだならば4ストエンジンに換装することを考えており、その際重量差がちょうど110gほどになるので好都合です。 

 尾翼強度が不足しているのは構造材の追加により十分な強度を確保しています。また同時に尾翼面積もこれで稼げているはずです。 

 メインギアはムサシノ純正、エポキシで固定したので強度はこれも十分と考えます。タイヤは奇を衒うのをやめ、35mmの普通の軽量タイヤです。 

 サブマフラーは胴体分割のものを取り外し、代わってマジックインキの先端をねじ込みました。このアイディアは青木さんのAO HOME PAGEから拝借しました。 

 尾翼はビス止め半固定式で、分解もできる構造ですが、現場で分解組み立てをするには少々面倒です。リンケージの水糸は釣り用のスナップで切り離せるようにしようと思ったのですが、張り具合の関係で無理があったので、水糸を直接くくりつけるようにしました。確実性には若干の疑問もありますが、思ったよりもしっかり固定されました。 

 前回の飛行では、エンジンはフルスロットルにならないようなセッティングだったのですが、今回はこれも解除し、フルスロットルを与えられるようにしています。もちろん、万一の場合だけの話ですが。 

 明日の朝は絶対決めます、いや、決めたいと思います。いえ、墜落しなければいいでしょう… 


 
2001/05/21 
試験飛行中に墜落してしまいました。 

 ムサシノ掲示板にも書いたのでそのとおりなのですが、最初はうまく水平飛行していたのが何かの拍子にピッチングに入り、ダイブから回復できなくなって墜落したのです。 

 別段頭上げ傾向があったというわけではなく、むしろ重心は前のようでしたので、これは水平尾翼のせいではないかと推測しています。 

 飛行については、バラストを積んで重心を合わせたのですが、サブマフラーとタイヤの重量減で重量については相殺しているのではないかと思います。 

 最低飛行速度は、まだ安定して飛ばせていないのではっきりいえませんが、ノーマル並です。しかし弱い風に向かって大仰角を取ると簡単にホバリングしました。これはノーマルよりも格段に浮きやすい感じです。翼面荷重はおよそ18g/sq.dmとなると思います。重心と安定さえ確保できればもっと低速飛行できそうです。 
 抗力はやはり大きい感じで、まだ焦ってエンコンを上げているせいもあると思いますが、かなり回しています。主翼はウイングレットを装着することを検討しています。 

 本機の不安定解消の試験を行おうと、縮小板フリーフライトグライダーを製作したのですが、1回目飛行は重心位置が後ろ過ぎて滑空できず、2回目は手投げ即垂直降下で破損してしまいました。やはりこのままではだめそうですがそれ以上は分かりませんでした。 

 さて破損した胴体ですが、風防部分は瞬間で固定しカーボンシートで補強しました。かなり強化されたようです。側板の破損は、ピラニアンソーで四角に切り出し、バルサを継ぎ当てしてカーボンで補強しました。 

 墜落とは関係ないのですが、phsを主翼プランクの上に落としてしまい、プランクが少し陥没してしまいました。 

 今後の方向ですが、まず尾翼面積を確保する方で改造することにします。垂直尾翼ももう少し面積があってもよさそうです。水平尾翼は少しばかり思い切って拡大したいところです。 

 それで、今度はV尾翼にすることにしました。サーボを1個減らすことと、あとはなんとなく好きだということでわざわざVにするわけですが、主翼の洗流(上面を流れる気流で、下の方に曲げられて流れる)の影響で変な挙動になっているのではとの憶測もなくはなく、興味はかなり引かれます。 

 また水平尾翼の翼幅に比べ垂直尾翼の高さは小さく、かなり開いたV尾翼となりそうでこれまたその挙動が興味津々です。 

 なぜしかしコンベンショナルな尾翼でなくあえて冒険するのかといいますと、それは作るのが簡単そうだからです。今回は、リブ組みで製作するのをやめ、スチレンボードコアをバルサでプランクすることにしました。重量的に若干不安もありますが、強度はかなり行けるのではと思います。Vの付け根部分は巨大ということもあってかなりのストレスとなるでしょうが、何とか補強を入れてやってみたいと思います。ことによるとストラットを入れて補強するかもしれません。 

 今度こそ…無事着陸して欲しいものです。 



…と、思ったけどやっぱり無理です。 

 バルサが何枚要るか考えていませんでした。1ダースではとても足りそうにありません。その重さやコストを考えると簡単には行きません。 

 なにせ普通の10クラスの主翼よりもよっぽど面積を要するわけです。こんなことならいっそモスの主翼をくっつけてやる方が手っ取り早そうです。あまりにもカッコ悪いですが。 

 やっぱりリブ組みになるかもしれません。リブは主翼の肉抜きしたものがあります。これを対称翼に切りそろえてしまえばいいわけです。テーパーは面倒なのでなしにしてやります。いっそ揚力尾翼にしますかねえ。カンザシで組み立て式にしても便利かもしれません。 

 だんだん混乱してきました。ひとまずV尾翼案もペンディングです。 
 



2001/05/04 
 だんだんわかってきました。設計ミスの可能性があります。 

 問題は水平尾翼容積です。 

 主翼面積が2倍、翼弦が2倍ですので、モーメントアーム、すなわち重心位置から水平尾翼風圧中心までの距離が同じなら水平尾翼面積は2X2=4倍にする必要があります。当初設計ではこの値をもとに縦横を2倍ずつ拡大しました。 

 ところが初飛行時の事故により、面積のうちおよそ6sq.dmを占める動翼部分が欠けてしまいました。また重心位置はこれも予想位置よりも数センチ後退しそうで、悪いことにモーメントアームがノーマル機が60数センチのところ、間違って60センチ弱の位置に固定してしまいました。 

 マウントはカーボンで、胴体にエポキシ+バルサの積層でがっちり組み込んでしまいました。調整はほとんど不可能ではと思います。 

 これではモーメントアームが8%くらい縮んでしまっていて、面積は逆にノーマル尾翼でいえば1割増くらいしてやらないといけない計算です。 

 対策はあまり多くはありませんが 

  1. 尾翼をさらに拡大する…しかし強度と重さが問題 
  2. 重心位置を前進させる…しかし主翼位置の関係でほとんど無理 
  3. 胴体を延長する…とんでもない 
 これらの中で実際に出来そうなものを選んでみると、尾翼面積の拡大と尾翼の後退翼化(デルタ翼化)でしょう。今、頭の中ではエトリヒ・タウベが飛んでいます。あんな尾翼(Vテールかも)にすれば幾分ましになるのではと思います。 

 さらに臭そうなところといえば、主翼の洗流です。あまりにも主翼と尾翼が近すぎます。また巨大なフラップをつけたことにより、主翼の風圧中心の移動が激しくなっていること、主翼のピッチ方向に対するモーメントがかなり大きくなっていることも疑われます。もちろん、ステー兼逆V尾翼も実に怪しいです。 
 
 



2001/05/25 
明日は土曜日。予定では試験飛行の日です。 

 修理は今日の朝結構進みました。サーボのつなぎを換え、エレボン動作をやめにして左右のエレベータを同じように動かすことにしました。というのも舵を切りながらアップを打ったりしたとき、あまりにもエレボン動作が利き過ぎて、結果的に半分以下にしか利いてないのではという気がしてきたからです。また旋回に特段のメリットも見出せていないので、とりあえずコンベンショナルな形に戻そうと思います。 

 あとは水平安定板と方向舵、昇降舵をスチレンボードで拡張する対策もする予定です。あくまでテストなので、耐燃料性はこの際無視することにし、固定も両面テープと高性能クラフトテープで簡単に済まそうと思います。あとは飛行させてみてカット&トライです。スチレンボードだと現場でも加工が出来るので好都合です。 

 これでうまく行くようであれば、スパンが短くて前後に長いV尾翼を作って取りつけたいです。スチレンボードだけで強度が確保できるか幾分疑問ですが、バルサでフルプランクするのもどうだろうかと思っています。 

 また、間に合えばウイングレットも適当に作ってこれまたテープ止めで実験してみたいところです。 

 スチレンボードにバルサを張りつけたものは、言ってみればコンポジット素材なわけですね。これを組み合わせて一枚板でない尾翼を組むという手もありそうです。エポキシも良く効きそうですし… 


 
2001/05/29 
日曜日に試験飛行しました。結果は成功でした。 

 まずこれまでの経験から、重心位置を正しく設定することが重要であると考えましたので、重心位置を測りました。すると尾翼を拡張した関係か、若干の後ろ重心となってしまっていました。これを回避するため機首に30g程度の鉛をテープで貼り付けました。これで重心は合いました。重量は増加しますが、これまでの経験から揚力には大きな余裕があって、少々の重量増加は問題にならないと考えました 

 エンジンはまだまだ慣らしが完了とは行かない状態ですが、それでも比較的良好な始動性を示しました。燃料はコスモスカイマスター、ニトロ20%です。 

 ニードルを若干甘めでセットし、手投げ発進しました。 

 重心が正しいせいでしょうか、今回は綺麗に水平飛行しています。ゆっくりと挙動に注意しながら旋回です。 

 おかしな挙動は特にありませんでした。 

 だんだんと高度を取り、30m程度でトリムを取ります。水平飛行においての癖は特にないようです。 

 問題の縦安定ですが、わざと失速させたり、突っ込ませたりしますがまずまずの安定で水平飛行に戻ります。水平尾翼の働きは十分のようです。 

 ゆっくりと旋回させ、その後で舵をニュートラルに戻すとスムーズにバンクを戻します。ノーマルよりもやや強いロール安定性を持っています。 

 最低水平飛行速度は独特の外観のせいでしょうか、そんなに遅いとは思えなかったのですが、実際にすぐそばをローパスさせるとノーマルより幾分遅いようです。しかし、モルフォほどではないと思えました翼面荷重は18g/sq.dm、モルフォが13g/sq.dmでしたので、若干及ばないのは納得が行きます。 

 急旋回のテストを行いました。極低速での急旋回はほとんど翼端を軸とするようなUターンが可能です。しかもうまくエレベータを操作すると、小さいバンクで水平にくるりと回ります。なんとも面白い飛行振りです。しかし、一定速度以上を保っての急旋回になるとスパイラル傾向が現れました。 

 この傾向は良く観察してみると、水平尾翼が捩れていることによって起こっているのが分かりました。これは尾翼の捩れではなく、胴体トラス部分から発生しているものでした。速度のある状態である程度強く旋回するとスパイラルダイブとなり、高度を失ってしまいます。慎重な引き起こし操作が必要です。 

 着陸進入も良く伸びて、慣れないと難しそうです。サーマルは当時発生していなかったようですが、もしあればかなり良く反応するのではと思えました。向い風だと簡単にホバリングします。逆に追い風でも急に落ち込んで速度が上がることもありません。 

 無事着陸させ、都合3回飛行させました。 

 今後は何はともあれ胴体の捩れの原因をつきとめ、対策したいと思います。また尾翼を作り直して、モーメントアームを伸ばす方向にして面積そのものは少し縮小したいです。 
 

 
水平尾翼は主翼並に巨大化した。 
 

 
5m程度の高度を飛行中。 
 

 
こちらは10mくらい。とまっているような速度。 
 

2001/05/31 
尾翼の面積を計算しています。 

 先日試験飛行に成功した尾翼は、36.3sq.dmあり、モスキートモス号の主翼とほとんど同じなのですが、面積の大小はさておいてもこれと同じ効果を確保する必要があるわけです。 

 水平尾翼の効果は水平尾翼容積であらわされますが、これは面積に比例し、またモーメントアームにも比例します。 

 モーメントアームは機体の重心点から、水平尾翼風圧中心までの長さです。 

 水平尾翼風圧中心は、水平尾翼の平均翼弦の30%位置を仮定しました。 

 平均翼弦の求め方は、水平尾翼の面積をちょうど二分する翼弦です。簡単な方程式で解けます。 

 今回の場合、あまりにも翼面積が大きく、それによる強度の問題、取り扱いの問題が頭の痛いところです。これを縮めるには現在580mm程度のモーメントアームを伸ばすしかありません。 

 胴体を伸ばさずにモーメントアームを伸ばすには、水平尾翼に後退角をつけて、風圧中心を後退させるしかありません。そのため、思い切って後退角をつけてみました。 

 全長は300mmくらいも伸びますが、風圧中心は200mm程度後退し、必要な面積は25sq.dm程度となります。これだと翼長は700mm程度になり、極端に無理な数字ではないようです。若干カッコ悪いという弊害もありますがそこはまあアレンジでしょうか。 

 さてお次は、V尾翼の面積計算です。モルフォのときはV角度と投影面積から翼長を求めていました。今回の場合、水平尾翼が垂直尾翼よりも極端に大きいためV角度も相当開いたものとなります。これが操縦性にどのような影響をもたらすのかは分かりません。垂直尾翼面積ももう少し拡張したいところでしたので、それを加味して計算したいと思います。 

 現在の垂直尾翼面積は約6sq.dm、これから必要な仮想垂直尾翼翼長は8.6cmとなります。これから仮想水平尾翼片翼長35cmということでV角度を16度取るとすると 
35cm*tan(16deg)=10cm 
で、若干増やして10cmとすると7sq.dmとなります。 

(注:数字は若干正確でなかったかもしれません) 
 

 
 
 

2001/07/27 
 非常に久しぶりの更新になります。なぜかというとほとんど何もしていなかったからでした。 

 現在V尾翼を作っています。スチレンボード7mm厚に1mmバルサをプランクして作っています。面積がめちゃくちゃに大きいのでバルサシートも1ダースでは足りませんでした。 

 バルサの接合には中粘度瞬間接着剤、プランクにはスプレーのり99番を使用しました。99番は強力なのですが、あまりたくさんつけるとスチレンボードが溶けるようです。 

 スチレンボード単体でも結構な強度があるようですが、プランクするとさらに強くなりました。しかしどういうわけか反りやすいようです。スプレーのりの塗りすぎやスチレンボードの溶解などが原因なのでしょうか? 

 さてこれを組み立てたらグラスクロスで補強しようと思います。かなり重いものになりそうです。 



2001/08/07 
V尾翼の製作を継続しました。 

 スチレンボードにバルサプランクまでは行き着いていますので、あとは周囲を5ミリバルサから作った角材で囲ってボックス構造を完成させることです。 

 角材はプロクソンのミニ・サーキュラソーで切り出しました。これも結構コツが要ります。合わせて音もかなり凄いので昼間でないと近所から苦情が出るでしょう。 

 角材を切り出すだけでは飽き足らず、今度は翼面もきれいに切りそろえたくなりました。どうしても今のままではナイフで切ったものですから垂直が出ていないのです。 

 切ってみたところ、それなりに切れましたが、スチレンボードがたぶん熱のために少し溶けたものが鋸の刃に付着したりしました。 

 ここまで来ればあとはエポキシで接着して整形することが出来ます。 

 それにしても相当重くなっています。スチレンボード自体が密度がかなり高いことによるもののようです。強度は十分でしょうが、少々心配です。 
 

2002/01/28
胴体の改修工事を開始しました。

 あまりに作業が滞るので意欲減退という悪い方向になってしまっているのでここいらで気分一新、大改修をはじめました。

 まずエンジンマウントを胴体から切り離しました。これは最近導入したドレメルのコードレスでカットしました(このドレメル、バッテリーがそんなにもたないことが分かり、使用法を考えて3956と使い分ける必要があります)。エポキシで固めていたので結構てこずりました。

 あとはバルサで機首を延長し、グラスを裏打ちして補強してエンジンを前に出します。これで現在200g以上あるバラストが半分ですむようになれば、FA30への載せ替えも困難ではなくなると思います。

 現在部品段階のV尾翼が予想以上に重たいものになってしまっているので、揚力には不安はないものの重心位置がこれ以上後退するととてもではないが飛ばなくなるのでこういう事にしました。
 
 

 

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