the

Mosquito

Moth

Laboratory

 
 

巨大動翼による運動性改善(の失敗)

注:この記事はムサシノ掲示板で過去に書き込んだものの焼き直しです。
戻る 
 

 きっかけ 

 ラジコン技術を読んでいたら、ファンフライの記事がありました。ファンフライの動翼はマンガみたいに大きく、いかにも舵が利きそうだと思ったので、ひとつモスキートモス号にこんな大きな動翼をつけてみるといったいどうなるかと思い、実験してみました。  
  

材料 

 2mmバルサ、カバリングフィルム(オラカバ)  
  

作り方 

 ラダー用は長方形の単純な板で、これをバルサの小片で元のラダーに接着固定しました。エレベーター用は台形の2分割で、同様にバルサ小片で元のエレベーターに固定しました。  
  

実験開始 

 動翼の重さがかなりあり、ラダーはまだしもエレベーターは水糸リンケージがどうしてもゆるくなってあまりシュアではありませんでした。ラダーは特には問題はありません。  
  
 実際の飛行を行いました。まず、エレベーターは動翼の重さからか勝手にダウンになっているようで、トリムを取り直し水平飛行ができるように調整した後、操舵してみました。  

 その結果、とてつもなく舵の利きが強力になっていて、スローでフルアップにすると、頭上げ姿勢のままピッチングすることもなくすーっと落ちてきます。失速ぎりぎりでも舵は凄く利きました。  
  
 次にラダーを操舵してみるとこれも物凄い利き様で、あまりに凄くて実際はフルには使えないほどでした。  

 ここまでは良かったのですが、そのまま水平飛行を行っていると、なぜかだんだん右や左に傾いて落ちて行くのです。ラダーで修正して元に戻してもまたしばらくすると落ち始めます。これは、らせん不安定という特性で、垂直尾翼面積を大きくとりすぎると、何かの弾みで機体が傾いたとき、それを助長する力が発生するというものです。対策は垂直尾翼面積を減らすほかありません。残念ながら元通りにせざるを得ませんでした。  

 それではエレベーターはどうかと言いますと、これも結果的にはだめでした。リンケージをきつく張りなおし(これはtipsとして別に公開予定)、飛行試験を繰り返しましたが、飛行中何かの拍子に機首があがったり下がったりしますと、そのままピッチングがだんだん大きくなり収まらずに続いてしまいます。これまた水平尾翼面積が大きすぎるために過剰な反応で安定性が失われているものと考えました。結局、エレベータの拡大舵面も取り外して、やっと安定した飛行となりました。  
  

結論

 モスキートモス号の舵面拡大は、大幅には難しい。どうしてもやる場合は、垂直・水平安定板面積を減らし、動翼面積を拡大する。  
 
 
巨大ラダーの寸法図 
 

 
巨大エレベータの寸法図 
 

戻る inserted by FC2 system