the

Mosquito

Moth

Laboratory

 
 

アクロ仕様「モスキートモス号AD(Aero Dancer)」(の構想)

 
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きっかけ

 もともとスタントには興味がないことはなかったのです。実機ピッツスホーイが華麗に舞うさまは理屈抜きで素晴らしいと思います。 

 ですが実際にやるとなれば、ラジコン機であっても安全や騒音の問題に起因する飛行エリアの確保の難しさ、それに何よりの問題が重大です。 

 それに怠け者のくせに人に負けるのがいやなへそ曲がりの私は、パターンを完璧にこなすことを目標に努力を重ねるなどという勤勉なことはとても出来そうにありません。ラジコンではスタントはやらないだろう、そう思いながら月日は過ぎて行きました。(^^; 

 そんなある日、ファンフライというものがあると知りました。そのファンフライなる変な飛行機はホバリングはするは、くるくる回るはで今までのイメージとはちょっと違います。 

 いろいろと調べてみると、軽翼面荷重でエンジンの中速を主に使って演技するということも分かってきました。 

 またなにより舵が冗談のように大きく、ユーモラスなスタイルでかわいい感じです。 

 もとよりモスキートモス号しか頭にない私は、モスキートモス号をファンフライ化することは可能だろうかといろいろと構想(妄想)をめぐらせることとなりました。仕様はなかなか固まらなくても、飛びっぷりは頭の中でもう出来あがっています。 

仕様

 とりあえずこんなものかという仕様をまとめてみました。 
  
エンジン 40〜46クラス 十分な効果のあるサブマフラーを装着
プロペラ 12*3
制御 フラッペロン、エレベータロン仕様で全6サーボ
予想重量 1000g
備考 ファンフライ化するといえど、飽くまでモスキートモス号である。低速時の性能は犠牲にしない。当然、最高速度はどうでもいい。
  
 エンジンが40クラスというのはいくらなんでもやり過ぎですが、これは通常は回しても中速までしか使わないということで、あくまで静粛性のためだけのものです。やっぱりこれはやり過ぎだと思うので、もう少し良く調べてから仕様を決めた方がよさそうですね。ですが垂直上昇ならいくらでもできるかもしれませんね。 

 サーボがたくさんいるのでがとても心配です。 

 フラッペロンですが、モスキートモス号は翼端上反角で、エルロンを翼端エルロンだけにすればまだいいかもしれませんが、やはり何とかして全翼幅でコントロールさせたいと思います。 

 その他考えなくてはならないところはやはり重くなるということと補強でしょう。現在のモスキートモス号を全備重量1000gで相当無茶な飛ばし方をしても、特段の不安は覚えないのですが、実際には他のファンフライを参考にして「ダロカン」で補強を入れるしかないのだろうかなと思っています。 

 まずはトラスを若干補強して、尾翼、胴体にも補強と軽量化。主翼はやはり強化を入れつつ軽量化と、かなり難しいことになりそうです。 

 あとは図面を引きながら(というより、スケッチを描きながら)いろいろと考えなくてはならないですが、もし実現すれば相当面白い事になると思います。 
 

線引き

製作開始予定 2000年10月
完成予定 2001年4月
  
 なおこの予定は全く根拠のないものであり、作業進捗を保証するものではありません。天候その他の要因で変動することがあります。 

 現在の時点で、このプロジェクトの優先順位は第2位です。また、冗談ではない予定です。 
 

検討(2000.9.1)

 AD型はモスキートモス号とはいえ、スタント飛行が主目的なのですから、それ用に一部改造が必要となります。もともとモスキートモス号は安定第一の設計になっていたわけですが、それをあえて崩し、運動性を向上させる必要があります。 

 ここからはほとんど素人の聞きかじりの世界で、本当のところはよくわからないまま進むわけですから結果についてはやってみないと分からないということになりますが、一応の理屈付けをしながらいくよりほかにありません。 
 

運動性の向上

 まず、ロール周りの運動性ですが、ファンフライは通常上反角が0度となっているようです。今回はこれに習い、上反角0度としたいと思います。またこの副次的なメリットとして、エルロンをフルスパンのものとすることが出来、複雑なリンケージをしなくても大きな動翼を派手に動かすことが出来そうです。 

 スパンを縮めるとロール速度は上がるかもしれませんが、もともとの低速飛行性能は出来るだけ犠牲にしたくないので、これはしないことにしました。 

 ピッチ方向の運動性は、エレベーターを強化すること、モーメントアームを小さくすることくらいしか思いつきません。 

 ヨー軸周りの運動性は、よく分からないのですが、とにかくラダーは効くようにしようと思います。 
 

機体の強化

もともとの設計意図から大幅に越えた飛行法を行うわけですから、必要な補強はしなくてはならないと思います。一つずつ考えてみます。 
 
  1. 飛行速度:およそ60kphくらいもあれば十分すぎるのではないかと思います。あえてモスキートモス号らしく、スローなアクロを楽しむとすれば、極端な負荷もなく、強度も大幅に必要となるとは思えません。もとよりモスキートモス号の主翼は、案外と頑丈に出来ています。全開で墜落したこともありますが、主翼はびくともしませんでした。反面尾翼は実によくしなり、これについては若干の補強が要るのではないかと思います。
  2. 全備重量:通常のモスキートモス号で800g前後で完成するとしますと、サーボ、エンジンの大型化、燃料タンクの大型化、燃料積載量の増大で400g程度は重くなるのではないかと考えます。これに対応して各部を強化するとなると更に重量が増加すると考えられます。これをいくら軽く出来るかがポイントとなるのは間違いないところでしょう。
 以上を考えて出来る限り機体へのストレスを減らせる方向で改造作業を進める必要が発生します。 
 

問題となりそうな個所

主翼のバンザイ対策:主翼中央部分はかなり強固なつくりになっています。ここについては肉抜き等はせずにオリジナルのままで製作することで必要な強度は確保できるのではないかと思います。他の不安点としては、翼端上反角をつける接合部分ですが、ここについては今回上反角が0度とするため、より確実な接着が可能となると思われます。念のためグラステープで補強する程度でよいのではと思います。 

トラスの折損対策:上向きの力で破壊されることが経験上多いわけですが、これはすべてが墜落によるもので飛行中のストレスがどうであるかは不明です。しかしやはり構造的には上向きの力には弱そうなので、この際重量増にならないように注意しながら補強を試みます。同様にトラス背部にも若干の補強をするつもりです。 

垂直尾翼の補強:垂直尾翼は方向舵の面積との関係から構造を変更するため、その際に補強できるような形にするつもりです。 

水平尾翼の補強:水平尾翼も同様に、構造変更して補強したいと思います。 

エンジンマウント:エンジンの強化に伴い、若干の強化を行います。 
 

静音化

 エンジンを強化せざるを得ないため、静音化は重要な課題の一つです。強化されたエンジンは最大出力回転数で運転するためのものではなく、低中速を中心として運転するものなのですが、それでも大型プロペラサブマフラーは不可欠だと思います。今回サブマフラーはバルサ使用のものとして製作してみたいと思います。 
 

低速飛行性能

 重量は増大し、アクロ飛行のために対称翼あるいは準対象翼を採用することで、オリジナルほどの低速時揚力はそのままでは期待できません。大きなフラッペロンを装備して十分な低速性能を狙いたいところです。 
 

胴体側面積

 ナイフエッジのような飛行を行うには現状のモスキートモス号の胴体側面積では少ないのではないかと思います。トラスの上下にフィンのような部分を作り、これで対応できないかと考えています。 
 

尾輪

 性能とは関係ないですが、尾輪を設置してより便利にしたいところです。 
 

軽量化

 性能を追求するにはやはり軽量化を避けてとおることは出来ません。軽量化できそうなところはあまりないのですが 
 
  1. リブの肉抜き
  2. 胴体の肉抜き
  3. トラス下面の肉抜き
  4. メカの選定
  5. サイレンサーの軽量化
などでしょうか。 

 主翼は努力の割には軽く仕上がらないので難しいところです。胴体にしても軽量な素材に変更したほうがよいのかも知れません。トラス下面にはカーボンで補強を入れようと思います。あと、エンジンではサイレンサーが重そうなのでこれを軽量なものに変更できればそれでかなりの軽量化が出来そうです。 
 

 


2001.02.02
 久々の更新になりますが、いろいろ細かいことを考えていました。いささかまとまりのない考えですがおぼろげながらも詳細が見え始めました。

飽くまでもスローアクロを

 それはすなわち、「超軽量、超軽翼面荷重、超低馬力荷重」を意味するわけです。なんとか1kgを下回る全備重量が実現できればおのずから目的は達成されるでしょう。しかしエンジンだけで300g程度あります。

 全く補強を入れずに作り、エンジンを交換した状態ではノーマル800g−150g+300gとみると950gということに(理屈では)なりますが、完全対称翼化や舵の拡大、補強などによって重量がかさみますし、なによりサーボが3個も増えるわけですからこれだけでも18gサーボだと54gの増になるわけです。

 翼面積の拡大は現状考えていません。まずノーマル翼をベースに作成するということ、リブを作り直したくないこと、翼幅は現状でも十分大きいことなどがあり、少々難しいです。しかし、フラッペロンを景気良く大型化してそれで面積を稼ぐことは可能です。

 馬力荷重は相当小さくなるでしょう。仮に1.2kgで仕上がった場合、1.0kg/psを実現します。これは私のスズキGSX−R1100改の1.5kg/psをはるかに上回る値となります(笑)。この値であれば通常のファンフライと比較しても遜色のない動力性能が期待できると思われます。ノーマルのモスキートモス号はおよそ3.0kg/psです。

軽量化は相当困難

 軽量化はかなり限界を探るようなところがあります。スチロールコアと貼り合わせることによってコンポジット構造となる主翼は強度にそれなりの余裕が出るはずですので主翼下面プランク肉抜き、リブ肉抜き、桁間補強肉抜き等が可能になると思われますが、これによる重量減は相当やってみても、30gが関の山で、スチロールコア、バルサハーフプランクによる重量増を補償できないと思われます。

 スチロールコア翼部分はバルサフルプランクがもっとも高剛性なのでしょうが、すでにノーマル主翼で十分強度に余裕があると考えていますので、そこまでは必要ないと思います。ですがせっかくプランクするわけですから強度の足しにはなって欲しいわけで、コアを一部切断してそこに桁間補強材を(桁はないが)設け、下面プランク材と接合してDボックス構造を構成するようにすれば相当な強度の向上が見られるのではと考えます。

 被覆は当然オラライトで、その他も尾翼舵面のトラス組み、胴体の軽量化、強度の不足を張線で補う、金属パーツの軽量化、メインギアの小型軽量化、エンジンマウント周り、メカの軽量化などを考えています。

フラッター

 いくらスローアクロバットが主目的であったとしても、瞬間的な加速を行うことは当然あるでしょうし、極低速からの瞬間移動的な加速感はメリハリのあるフライトを実現すると思われます。そう言う訳で低剛性巨大な舵面でフラッターの危険が高まります。

 尾翼は大型ホーンを舵側、サーボ側とも自作し、バックラッシュのないリンケージを行いたいものです。フラッペロンですが、これもワイヤーリンケージとすることでより高剛性のリンクが出来ないか検討中です。2点以上で舵を支持できれば確実なのでしょうが。

超厚翼

 フラッペロンまで翼の一部とみなして翼厚を考えたとしても、20%以上の厚翼になります。一般にこんな厚翼はこの程度のスケールでは非常に効率が悪くなると言われています。

 しかし過去のラジコン技術には翼厚22%の20クラススポーツ機自作の報告がありました。高揚力であり、等速のスローアクロバットが出来るというようなことが書いてあったと思います。今回はこの実験の意味もあります。

 胴体細部の構造がまだまとまりきっていません。もう少し考えないといけないようです。本機はファンフライというより、ファンフライ的飛行も出来る高機動スポーツ機という感じになりそうです。

 
 

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