the

Mosquito

Moth

Laboratory

バーチャルインタビュー  2007/09/24

バーチャルインタビューは、モスキートモス号ファンの方々にメールでアンケートをお願いし、それを元に対談形式に再構成したものです。インタビューに応じてくださった方の校閲を経て公開しており、脚色等は行っておりません。

今回のお客様:とみぞうさん

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MML:しばらくぶりのバーチャルインタビュー、今回のお客様はとみぞうさんです。モスキートモス号の製作時点から初飛行まで、ムサシノ掲示板にて書き込まれていた記事を私も拝見していました。どうぞ宜しくお願いします。
 とみぞうさんはモスキートモス号で入門されたのですね?

とみぞう:ラジコン歴は3ヶ月、飛行機歴は2ヶ月です。今はありませんが過去にプレイリー号を持っていました。

MML:プレイリー号から入られたのですね。そのプレイリー号やモスキートモス号の入手のいきさつなどを教えてください。

娘が「やってみたい」と

とみぞう:モスキートモス号を入手したのは2007年5月20日です。
 ずっと昔、10年以上前ですが、プレイリー号を作って飛ばしたことがあります。
 当時は今みたいにインターネットが盛んではなく、一人で製作し、飛ばすには情報が少なく、限界がありました。ムサシノ模型飛行機研究所から出ている、「軽ラジコン機入門」だけが頼りでした。
 そんな感じで、一度飛ばしたきりで、垂直尾翼を折ってしまい、そのままになっていました。
 先日、実家に帰った折、一番上の7才の娘が、押し入れにしまってあるプレイリー号を見つけ、やってみたいと言いだしたので、これは渡りに船と思って、もう一度やってみることにしました。

MML:娘さんが再開のきっかけになってくれたわけですね。一緒に飛ばせると楽しいでしょうね。

とみぞう:機体を作る道具も、メカも、一通りそろっているし、機体だけ買えば済むだろうと思っていたのです。しかしこれが誤算でした。一番ショックだったのは、2,3回しか使ったことのない送信機が壊れていた事です。
 いくら10年以上前と言ったって、電池も抜いて保管してあったのに残念でした。
 ちなみにメーカーに電話して聞いてみたところ、部品が無いので修理出来ませんと言われてしまいました。

MML:故障ですか、それはついていませんでしたね。物によっては10年以上現役で使っている人もあるようなのに惜しいことでした。

とみぞう:機体が生地完成、後はフィルム貼ってメカを載せるだけと言うところまで作ってしまったので、後には引けなくなり、大枚はたいて新たにセットを購入してしまいました。受信機とサーボまでは壊れていないだろうと同じメーカーにしてみました。結果、セットに付いてきた受信機とサーボ3つは、使わずに済みました。と言うことで、スカイウォーク2を買ってしまいました
 あ、そうそう、プレイリー号に積んでいたOS10FPは行方不明となっております。

MML:そうですか、受信機とサーボは助かってよかったですね。スカイウォーク2も飛ばしやすく、しかも高性能で面白いですよ。
 とみぞうさんはどういう点でモスキートモス号を選んだのですか?

とみぞう:モスキートモス号を選んだ理由ですが、ムサシノホームページを見て、トラス胴が美しかったのと、色々調べてこのMMLにたどり着き、プレイリー号より飛ばすのが易しいかなと思ったからです。

MML:MMLを参考にしていただいたとのことで有難うございます。プレイリー号も非常に良くまとまったスポーツトレーナーだと思います。モスキートモス号は飛行速度はプレイリー号よりさらに遅いので、お分かりと思いますが同様に入門機としても好適です。

MML:とみぞうさんは先日モスキートモス号の初飛行をされ、その様子もムサシノ掲示板で拝見しました。プレイリー号もお持ちだったわけですが、随分時間が経っているわけですので実質今回が初飛行同様だったのではと思います。離陸前のお気持ちや、飛行中、着陸後は何を考えてありましたか?

エンジン始動に苦労

とみぞう:初飛行は、2007年7月9日でした。機体完成は、6月21日なのですが、初飛行までの間、エンジンの始動に大変苦労しました。早起きして飛ばしに行ってもクランクだけして帰ってくる事もありました。ムサシノ掲示板で色々な方のアドバイスを頂き、何とか始動出来るところまでは行ったのですが、ニードル調整が思うように行きませんでした。スロットルを全開にすると、エンストしてしまうのです。

MML:掲示板で拝見しましたが、かなり苦労されていましたね。ちょっとしたコツとなれなんでしょうけど、私も最初は大変苦労しました。

とみぞう:初飛行の時もかなり苦労してやっとエンジンが掛かり、その日はエンジンが掛かったら何も考えずに直ぐ飛ばしてしまおうと心に決めていたのでブースターコードを外した瞬間から滑走してました。
 離陸はうまくいったのですが、そのまま真っ直ぐどんどん遠くへ行ってしまい、小さくなった機体を見てかなり焦りました。
 ラダーをチョンと左に切って機体が左を向いた時、あー良かったと本当に思いました。
 そして又、あんな遠くにある機体を今この手に持っている送信機で操縦しているんだな、と感動しました。

MML:速度が遅いとはいえ、20〜30キロくらい出ているはずなので、操縦しないとどんどん遠くに行って心細くなりますね。早めに舵を切らないとどちらを向いているか分からなくなって危ないのです。でもうまく操縦できて感動もひとしおですよね。

とみぞう:初飛行の時は、結局左旋回しかしませんでした。
 かなり大回りで、4周ぐらいすると、気持ちも落ち着き、着陸しなければと思い始めました。
 着陸もキットに付いてきた飛ばし方の説明書を何回も読んでイメージトレーニングをしていた甲斐もあって、スロットルを絞るだけでとりあえず下ろすことが出来ました。これもモスキートモス号の性能と、サッカー場3面ぐらいある広いグランドのおかげでしょうか。
 100mぐらい向こうに着陸したモスキートモス号を拾いに行く間、あー良かったとやったーの感動が入り交じっていました。
 結局、初飛行中はエンストしませんでした。地上で回していて10分以上持った事が無いので、初飛行は多分5分か長くても10分ぐらいでしょうか。緊張していて時計を見るのを忘れてしまいました。

MML:本当にすばらしいです。初飛行を単独で、無事故でやり遂げたのですから。あの飛行説明書は手短に、簡潔に書いてあります。ですからついさっと読むだけになってしまうかもしれませんが、あそこに書いてあることさえ守っていれば、無事故で初飛行が必ず出来ると思います。しっかりイメージトレーニングをされていたことが、無事成功へとつながったのではないかと思います。
 モスキートモス号のフライト面ですが、とみぞうさんはどこが面白いですか?

とみぞう:まだまだ初心者ですので、飛ばすたびに緊張の連続です。特に離陸が緊張します。
 スロットルを上げ、滑走し出すと、左へ右へ、まだスピードが出ていないので、ついラダーを大きく当てすぎてしまいます。
 ようやく尾翼が浮き、車輪が浮くと、左右へふらふらの続きでそのままどちらかの翼端が下がっています。その時に翼端を地面にぶつけてこけそうになりながらも、いつも間一髪離陸していきます。これが一番緊張します。

MML:滑走離陸は、実はなかなか難しいのです。私もあまり得意ではありません。むしろ、手投げ発進の方が格段に易しいですし、特に練習が必要というわけでもないので、そちらもお試しになるといいと思いますよ。

とみぞう:一度離陸してしまえば、高度10mも取れていればとても落ち着いて優雅に飛行できるところがとてもいいですね。ラダーを打ち間違えたりしてもゆっくりバンクするので「あ、逆だ」と思って反対に切ればいいのです。一つ間違えたら即墜落みたいなスピードで飛ぶ飛行機はこうはいかないと思います。

MML:はい、ゆっくり飛行していて、舵も軽く操っていれば、非常に安全マージンが高いので、過度に緊張することもなくのんびり楽しく練習も出来ますよね。

とみぞう:それと、最近知ったのですが、少しぐらい、風速2〜3m程の風があっても楽しめますね。
 風があると、思った様には飛ばせませんが、逆に、風に逆らわず風上の方を向いて丁度いい具合にスロットルを調整すると、殆ど静止した状態でどんどん上に登っていきます。下から見ているとまるでトンビかタカの様です。その姿を見ているだけで、楽しいですね。

MML:そうなんです。弱風でもまっすぐ上に上っていくのはなんとも不思議な感じがします。かなりの強風でも同じことができるのです。非常にシビアなので、強い風での飛行はお勧めできませんが。

とみぞう:モスキートモス号の場合、着陸はあまり緊張しません。私の場合、広いグランドで飛ばしているので、必ずしも「ここへ着陸」という必要が無いのです。と言っても、狙ってはいますが。
 機首を風上に向けて、スロットルを一番下げ、左右に旋回しないようにラダーを調整し、後は勝手に降りてくるのを待ちます。最後に「チョン」とエレベーターをアップすれば着陸です。
 単独で飛行できたのもこの着陸が簡単だからではないでしょうか。

MML:そうですね、低速飛行の姿勢のままじわじわと降ろせれば、無事に着陸できます。滑走路が狭かったり短かかったりするとなかなか難しいのですが、グランドのようなところなら心配ありませんね。タッチ&ゴーで着陸の練習をするのも楽しいですよ。
 逆にですが、とみぞうさんはモスキートモス号のフライトで面白くないと思ったころはありましたか?

とみぞう:特にありません。ただ、やはり風の強い日は飛行を躊躇しますね。今日は「飛ばしに行くぞー」と思って早起きしても、風が強かったりすると、がっかりです。もちろんモスキートモス号に責任はありませんが。

MML:早朝でも結構風のある日というのはあるものですから、私も何度か早起きしたのに惜しくも見送り、ということもありました。でも飛ばせないのも悔しいので、後日スポーツカイトを調達して、強風の中飛ばしたりしていました。でも雨だといずれも駄目です。
 それで製作面ですが、どこが難しかったですか?

とみぞう:主翼固定フラップのフィルム張りです。フラップと主翼を繋ぐ補強の縦棒があって、そこが大変でした。他の方はどうされているのでしょうか。色々な方の機体をホームページなどで拝見すると、あの縦棒を使ってらっしゃらない方も居るようですが。写真が小さくてよく見えないだけかもしれませんが、どうなんでしょうか。

MML:あれは、器用な方は補強材なしにきっちり角度を出して、接着しているようですね。私も真似してやったことがあるのですが、強度はいちおう大丈夫でしたが、左右の角度を正確に合わせるのが結構難しかったです。結局、私の場合は、補強材は付けて、フィルムは適当に張って仕上がりは気にしないという、もっとも安直な方向に落ち着いています。

トラス胴の接合は難しかった

とみぞう:もう一つは皆さんおっしゃっているように、胴体とトラス部の結合です。
 表現が難しいですが、三角のバルサ2枚をこれまた三角斜めに取り付けるのに、届かなくなりませんか。三角の2辺を接するようにすると、胴体とトラスが定盤の上で水平になりませんでした。
 多分、私の制作力が低いので色々な所で寸法に誤差が出て、最後の最後にここにしわ寄せが来てしまったのでしょうが、この部分、水平を第一優先にしたためかなりアバウトに接着してしまいました。

MML:あそこの三角ですね。届かなかったことは今までは無かったですが奇麗に、正確にと思うとなかなか厄介です。あの三角形は二等辺三角形などではないので、裏表というか、左右というか、合うところがあります。
 自分の作り方としては、あそこはエポキシ接着すべきところですが、瞬間で数点接着して仮止めし、相当に加熱し液状化したエポキシを流し込み、隙間から漏れないように塗装用マスキングテープで封をして作るのが一番正確で強固に出来そうに思います。
 とみぞうさんは、こんなフライトが面白い、というものはありますか?

とみぞう:空高く上げるのが楽しいですね。でも本当は目の高さぐらいの所をゆっくり飛行させたいです。
 一度試してみたのですが、案の定、旋回で高度が下がり翼端を地面にぶつけて落としてしまいました。まだまだこれからです。

MML:高度を変えない水平飛行、旋回飛行を練習すると、安全に低空飛行が出来るようになると思います。コツはスロットルですね。エレベータで高度を調節するのではなくて、旋回に入る前に少しスロットルを開き、旋回終了とともにスロットルを戻すということが自然に出来れば、それこそ腰の高さくらいの飛行もできるようになります。まあ、たくさん練習していれば自然に出来るようになるでしょう。
 ところでモスキートモス号に手を入れて改良したことはありますか?

とみぞう:ワイヤーリンケージをオリジナルに変更しました。どなたか既にやっているかもしれませんが。
 サーボホーンの片方は直接結び、動翼側のホーンを回して来てから、サーボに戻ってきたもう片方の糸をゼムクリップを切った針金の先に結び、サーボホーンの片方だけに取り付けたアジャスターに差し込んで、ぎゅーっと引っ張り、イモネジで固定です。ゆるんだ場合は、針金を引っ張り直せばいいという具合です。針金の長さは引っ張り代を考えて2cmぐらいにしています。

MML:アジャスターにイモネジですね。再調整はやりやすそうです。RCカーの調整部分に似ていますね。
 とみぞうさんはモスキートモス号を壊したことはありますか?

とみぞう:低空で旋回して、翼端を地面にぶつけたときに胴体とトラスの結合部をぱっくり折ってしまいました。
 かろうじてフィルムでくっついていたので、直ぐには分からず、もう一度エンジンを掛けようとして持ち上げたら、何か胴が柔らかいなと思って、よく見たら折れて揺れてました。

MML:あそこは墜落すると良く折れますね。まあ、胴体前半が壊れるよりははるかに直しやすいのでまだマシかもしれません。トラス本体が折れると組みなおしとフィルム張りなおしでこれまた面倒なのです。それでどうやって直しましたか?

とみぞう:補強にバルサの端材を内側から張り、たっぷりのエポキシで固めました。かなり頑丈にしたつもりなので、次に壊れるとしたら、トラス部でしょうか。

MML:無事に直ってよかったですね。あの部分は相当壊れても何とか直せますからまだ気が楽です。
 とみぞうさんはモスキートモス号のどこが好きですか?

とみぞう:スタイルが好きです。顔が大きくて、しっぽが細いのでどちらかというとトンボに似てると思います。

自作機の飛行は最高

MML:胴体のデザインはユニークですよね。トラス以降が非常に細いのも面白いと思います。
 ではこれからモスキートモス号を作ろう、飛ばそうという方に励ましのメッセージをお願いします。

とみぞう:やっぱり自分で作った飛行機が飛ぶのは最高です。ぜひ一度体験してみてください。

MML:とみぞうさん今日はどうも有難うございました。これからものんびり楽しく、モスキートモス号を飛ばしていってください。

とみぞう:モスキートモス号のファンはまだまだ増えると思います。これからも頑張って下さい。
 

とみぞうさんの愛機

 

飛行風景

とみぞうさんのモスキートモス号の仕様
エンジン OS10LA
プロポ JR X2720
重量 900g

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