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バーチャルインタビュー 2000/09/05
バーチャルインタビューは、モスキートモス号ファンの方々にメールでアンケートをお願いし、それを元に対談形式に再構成したものです。インタビューに応じてくださった方の校閲を経て公開しており、脚色等は行っておりません。
今回のお客様:ラジコン初心者@東京都さん
遅さに唖然MML:バーチャルインタビュー、今回のお客様はラジコン初心者@東京都さんです。ムサシノ掲示板でもアクティブにご活躍中です。今日はよろしくお願いします。ラジコン初心者@東京都さんはフリーフライトの方でも有名なクラブに所属されてご活躍との事で、またモスキートモス号を飛ばされる前にはトレーナー機でご苦労されたと伺っていますが… ラジ:ラジコン歴は、ちょこっとだけやって止めたのが20年くらい前ですが、ずっとやってませんで、フリーフライトのハンドランチグライダーばかりずっとやってました。
MML:1980年ごろになりますね。どのような機種だったのですか? ラジ:名称不明の09エルロン仕様のトレーナー機と、09エンジン搭載のモーターグライダー・スポルタビアで、以上は、まともに一人では飛ばせませんでした。 MML:モスキートモス号以外には何かお持ちですか? ラジ:加藤無線飛行機のラッキー20、これは最近ラジコン屋さんに薦められてつい買ってしまいましたが、飛行スピードが私には速すぎるので、初心者の私には余裕がまるで無くまだ自分でまともに着陸すら出来ません。現在パストラルを製作中です。 MML:パストラルもいい飛行機みたいですね。私もいつか試してみたいです。
ラジ:2001年5月頃に買いました。初めて見たのは20年も昔のことですが、山梨に2年間ほど実家を離れて専門学校に通っていたとき、同じ学校の友人がモスで単独で初飛行に成功したのを見ました。非常にゆっくり、安定して飛んでいました。同時期に私が、初めて作った別メーカーの09エルロン仕様のトレーナー機との飛行速度の違いに唖然としました。 MML:なるほど。私はモスキートモス号の速度しか知らないようなものですが、最初こそ戸惑ったものの、慣れてくるとそれでもこのゆっくりした飛びにはとても驚きました。普通の機体と見比べれば唖然とするのも無理もないことと思います。
低翼面荷重がいいラジ:まず、低翼面荷重によるゆっくりとした飛行速度が気に入ってます。フリーフライト程では無いにしても、エンジンを掛けずに手投げ滑空試験が出来ることは、次のエンジンランでのスティック操作の気持の余裕がまるで違います。MML:そうですよね。手投げできれいに飛べれば、エンジンかけて操縦していればもっときれいに飛べるはずですから。なんといってもエンコンを絞って舵を戻せばその状態ですからね。
ラジ:まだ、面白くないと思ったことはありません。 MML:モスキートモス号は機体もとても特徴的ですが、製作ではどこが難しかったですか? ラジ:胴体のトラス構造、及び胴体のボックス側(メカを積む部分)とトラス構造のテールブームを繋ぐ工程で、基準線からずれることなく接合するところです。 MML:モスキートモス号の製作は本当にここが決め手です。瞬間接着剤を仮止めに使ってエポキシを加熱した浸透接着をすれば、正確に組み立てることが出来ますよ。
フリーフライトのように飛ばすラジ:まだ、練習中ですので、高度な難しい事は出来ませんが、風の無い早朝に上空にかなり高く上げて、ラダートリムでゆっくり大きな旋回飛行をするようにします。そのまま燃料が無くなるまで飛ばして、あとは、グライダーの様に滑空に入れます。エンジン停止の瞬間、若干頭下げになりますので、エレベータトリムを失速しない程度にアップにします。そのまま、サーマルに乗ってさらに高度を上げる時もあります。サーマルに乗らなくてもトータルで40分位飛んでいます。やはり、フリーフライトをやっていたせいか、私はグライダーが好きなようです。私はモスキートモス号は初心者用のモーターグライダーだと勝手に思っています。 MML:運動性はそれほど悪くはないのに、非常に外乱に強いモスキートモス号ならではの優雅な楽しみですよね。さほど高度を取らずに、水平旋回飛行を唯々眺めるのもいいものですよ。滑空比が良い機体ではないのですが、滞空はとても楽しいです。
ラジ:フラップの幅を25ミリから40ミリに大きくしました。また水平尾翼中央部をカーボンで補強しました。
MML:フラップの拡大は経験がありますが、非常に効果がありますね。特に着陸が、自分の腕が恐ろしく上がったような錯覚を覚えます。ウイングレットは矩形翼では特に効果があると聞いていますので試験結果が楽しみですね。是非結果をムサシノ掲示板で教えてください。
ラジ:有ります。朝早く起きて飛ばしに行った最初の日に、滑空テストは良かったのですが、エンジンランで離陸したらピッチングに入り、寝ぼけていたせいか、何も操作出来ずに地面に落ちました。胴体のボックス部分とトラス部分の接合部が折れました。エレベータートリムでダウン操作をすれば良かったのです。 MML:パワーがありすぎたのでしょうか。私が良くやる失敗は追い風で離陸することです。このくらい何とかなると思っていてもいざ浮いてみると揚力がぜんぜん足りずに凄い頭上げ、ダッチロールで墜落というのを何度か経験しました。
ラジ:折れた部分のフィルムを少し剥がしてそのままエポキシで接着しました。 MML:私は下手でよく折っていましたが、今はカーボンとグラスで補強を入れてかなり頑丈になりました。
ラジ:初心者に優しい飛び方、ゆっくり飛ぶので、パニックになりにくいです。行く行くはソアラーの様なグライダーもやりたいですが、まずはエンジン付きでグライダーに近い飛び方が出来るこの機体で当分は、楽しみながら練習するつもりです。
MML:主翼は凄い頑丈さだと思います。何度もひどい墜落をしたのにいまだに折ったりしたことはありません。ショックで桁間補強がわずかに欠けて飛んだり、プランクが胴体に突かれて傷んだりしたことくらいしかないのです。逆にプランクに穴をあけたり、省略するとどうなるかをじっと見ながら考えていると、もうどうしようもないところまで完成されていることに気づきました。模型飛行機の、ムサシノ機の長い歴史で磨かれたのでしょうね。
初めての飛行機に最高ラジ:初めてラジコンを飛ばすなら、これが最高だと思います。図面通り正確に作り、滑空試験をして、だいたいの機体の飛行速度や舵の効き具合を確かめると、エンジンランで飛ばした時に気持ちに余裕が出来て、パニックになりにくいです。エンジンランで飛ばすときは、エレベータートリムを滑空試験時より若干ダウンにしたほうが良いです。目安としては13〜15ノッチ位。滑空試験時のトリム位置がフルアップだったとしたら、ニュートラルより少しだけアップ程度。 スロットルも、ハイではなく中スローで上げて下さい。ハイにすると、頭上げが強いので、パニックになる可能性があります。翼面荷重が少ないので中スローでゆっくり上昇させた方が安全です。 この機体ならそれが出来ます。 MML:デザインも物凄い、コンセプトも当時としては異端だったでしょう。そしてその常識破りの性能はムサシノの真骨頂、館林先生の反骨精神の粋だと思います。その機体が誰にも愛される優しさを持っている。きっとオーナーはここに惹かれるのだろうと思います。そしてこの機体の素晴らしさを広く知ってもらうために、MMLはこれからも奮闘します。今日はどうもありがとうございました。 ラジ:今後とも宜しくお願い致します。色々勉強させてもらおうと思っております。
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ラジコン初心者@東京都さんの愛機。MMLモスキートモス号に感じが似ていると思いました。
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エンジン | OS10FP |
プロポ | JR X3810 |
重量 | 908g+燃料50cc |