the

Mosquito

Moth

Laboratory

 

バーチャルインタビュー  2000/8/ 23

バーチャルインタビューは、モスキートモス号ファンの方々にメールでアンケートをお願いし、それを元に対談形式に再構成したものです。インタビューに応じてくださった方の校閲を経て公開しており、脚色等は行っておりません。

今回のお客様:高木 裕明さん
 
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電動機の黎明に飛ばす

MML:今回のお客様は高木 裕明様です。高木さんはラジコン歴が20年、電動飛行機がとても難しかった時代にチャレンジされていたとの事です。実は私はその時代、電動カーにのめりこんでいたのですが、当時は電動飛行機は今のように普通の選択肢の一つとなってはいない苦難の時代だったと思います。今回はよろしくお願いします。高木さんはモスキートモス号のほかには、どのような機体を楽しまれていますか?

高木:過去にはフレンドカブ号、フレンドグッピー号を、現在はパスルトラル、電動プレイリー(プレイリーカブ)を楽しんでいます。ムサシノ機に限定しないと言う事であればU/Cの頃から殆ど自作機で、「模型とラジオ」や「U/C技術」の製作記事を利用させて頂きました。現在は、夏季は山でスロープ、冬季は田圃でサーマルグライダー、その合間に電動飛行機です。それと最近はFFの奥深さを再認識しPLG(パチンコグライダー)もやっております。PLGをちゃんと調整出来れば、飛行に関してのかなりの部分が理解出来ますよ。

MML:さすがベテランですね。さてモスキートモス号ですが、入手されたのはいつ頃ですか?

高木:発売当初の1979年頃だったと思います。当時のスタンダードはマブチRS360で、それより50%も強力なRS380が発売され、それの電動飛行機パワ−プラントとしての可能性を試していたところへモスキートモス号が発表となり、これが最適と選択しました。

MML:発売当初から電動機への改造を受けるというのもモスキートモス号の懐の深さが分かるような気がします。写真を拝見してもすごいですね。双発機になっていたりしますが。ところでモスキートモス号は今でもお持ちですか?

高木:いいえ。1983年頃引越しの為廃棄しました。その頃すでに模型趣味から全面撤退していました。

ゴム動力機のように

MML:そうですか。それではかなり以前のことにはなりますが、そのころを振り返っていただいて、モスキートモス号のフライトについてなのですがどんなところが面白かったでしょうか?

高木:必要最小限のパワーによるゴム動力機の様な飛行ですね。

MML:たしかにゴム動力機的ですね。あまりパワーを掛けても、「そんな必要ないよなあ」などと飛ばしながら一人納得したりしています。なんだかとにかくゆっくり飛ばしたくなってしまう、そういう性格の機体なのでしょうか。逆に面白くなかったことはありますか?

高木:飛ばし慣れて来ると飛行速度が増し、それまでの恩恵を忘れて固定フラップの癖が邪魔に感じる様になりました。勝手なものですね。

MML:なるほど。確かにこのフラップは効果が大きいですから、フラップのいらない飛ばし方をするには少しばかり難しいかもしれません。製作の面ではどうですか?難しいと思ったところはありますか?

高木:やはりトラス胴体でしょう。但しそれなりの喜びが得られます。

MML:たしかにあれこそが、「モスキートモス号だ!」というアイデンティティでもありますね。私は組み立てながらついついひねったり、しならせたりしてしまうんですよ。勿論曲がらないように気をつけてですが。組むにつれてどんどん丈夫になって行くのが不思議というか楽しいというか…。組みあがりもきれいですし。
 お勧めのフライト法は何かありますか?

高木:出来るだけ操縦しない、自立安定性を生かしたフリーフライトっぽい飛行が出来る様に調整すると大変優雅です。

MML:そうですね。緩旋回で高度を維持しながらそのままずーっと飛ぶのを眺めるのも面白いですね。実は私これをやってる最中にスズメバチに追っかけられて逃げたことがあります。何の操縦もなく落ちもせずそのまま飛んでいたので助かりました。
 機体を改造したりしたことはおありですね?

電動双発機に改造

高木:かなりやりました。まず、 最初から電動飛行機として制作しました。京都RCツジムラのパワーユニットを転用。マブチ380の4:1の減速ギア、トーネードナイロン8*8ペラ(3葉)、8セルGS450mAhニッカド、リレーパワースイッチ。これで優雅に離陸して3分半程のパワーフライトが可能です。感動的でした!
 次にマブチ380ダイレクトの双発としました。ペラはCox6*4で、大変パワフルに急上昇しました。但しパワーフライトが約1分で、現在の500ARでもこれは過負荷ですね。
 また、京都RCツジムラのパワーユニットで双発。トーネードナイロン9*8ぺラ。当時のRCカー用バッテリー、単2型5セル1200mAhだったかを使用しました。飛行はまるで重量級の輸送機の様で、長時間飛行を実現しました。
 固定フラップを跳ね上げ主翼下面と面一とした事により、飛行速度を上げてもピッチ軸への影響が緩和されたというようなこともしました。しかしユックリズムには逆行ですね。

MML:凄いですね。双発機にまでなるとはいくら館林先生でも思いもつかなかったことでしょうね。やはりいろいろな方の事例を見ても、モスキートモス号は改造ベースとしても優れていると言えると思います。オールバルサ製ですし、その気になれば1から作り上げることも出来ないことではないでしょう。たとえ万一発売されなくなることがあっても、これから何十年もモスキートモス号は世界の空を飛びつづけるのではないかと思います。
 壊したりはされませんでしたか?

高木:はい。2chプロポで、モーターON/OFFをエレベーターフルダウンと兼ねていたので、それを忘れて着陸後、残ったパワーでタキシング中、僅かな速度で離陸してしまい、焦ってパワーOFFしました。ところが目の前にはバックネット!それを避ける為の急旋回で失速し、機首から墜落で機首を大破しました。ですがオールバルサ製なので自作派の私には修理は問題無しです。

これぞ正しく模型飛行機

MML:そうですか。これまでもいろんな方にインタビューさせていただきましたが、やはり皆さん壊した経験はおありですね。でも案外と修理は利くというのも共通しています。バルサキットはやはり案外頑丈なんですね。
 さてモスキートモス号を大変楽しまれていた高木さんは、全体的に言ってモスキートモス号のどういうところがお好きでしたか?

高木:ムサシノの飛行機である事。館林先生の設計だった事。軽量で電動機と成り得る事。そういうことです。

MML:ムサシノファンですね。こんなに個性的な飛行機を手にしたら、そうそう「普通」の飛行機では満足できなくなります。デザインも、フライトもですね。
 それでは高木さんよりこれからモスキートモス号を作ろう、飛ばそうという方に励ましのメッセージをお願いします。

高木:入門者の方には組立てはちょっと手応えがあるかも知れませんが「これぞ正しく模型飛行機」と言える物です。しかも国産だし、大変親切で作りやすいキットです。最近のは島崎氏の親心で多分もっと作り易くなっているのでしょうね。基本的な工作技術が身に付いたら「普通」のキット、つまり普通に手間のかかる物や、外国製のユニークな物や、クラシックな名機にもチャレンジして下さい。楽しいですよ!

MML:古くて新しい、とってもベーシックなのにユニークなこの飛行機を大切にしていきたいですね。今日はどうもありがとうございました。

高木:仲間が増えると良いですね。


高木さんの愛機だった、双発モスキートモス号
 


同じく双発モスキートモス号
 


可動フラップ装備のフレンドカブ号
 


珍しい、受信機と2サーボが一体化したユニット 

 
 
高木さんのモスキートモス号の仕様
モーター マブチRS380+減速ギア(京都RCツジムラ)
プロポ 双葉FP-2G ラジカセの様な形の物(熊本の実家にはまだあるかも)
受信機一体のサーボ: 双葉FP-2RS? <=これは手元に残っているので御希望の方(コレクターの方?) に差し上げますヨ。まだ動くかも....。
重量 780g〜1200g
 
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