the

Mosquito

Moth

Laboratory

バーチャルインタビュー  2003/06/22

バーチャルインタビューは、モスキートモス号ファンの方々にメールでアンケートをお願いし、それを元に対談形式に再構成したものです。インタビューに応じてくださった方の校閲を経て公開しており、脚色等は行っておりません。

今回のお客様:岡野 光好さん

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 今回のお客様は岡野 光好さんです。岡野さんは小学生の頃からのライトプレーンに始まり、45年以上模型飛行機を楽しんであるということです。ラジコンはシングル時代、昭和38年頃からとのことで、大ベテランでいらっしゃいます。今日はどうぞ宜しくお願いします。

MML:岡野さんこんにちは。「とりさんのひとりごと」でもたくさんの素晴らしい機体の写真を公開されています。今現在はどのような機体をお持ちなのですか?

岡野 :現在はプレイリー号と自作の無尾翼機だけです。

MML:写真で見るだけでもたくさん手がけていらっしゃったようですね。何機くらい作られたのでしょうか?

岡野 :今まで自分用に作ったヒコーキは、良く分かりませんが100や200ではないと思います。

MML:さすがにベテラン、それにしても凄い数です。その中にあってモスキートモス号はどのようにして入手されたのでしょうか。

岡野 :10年位前ですが、その頃に売っていたムサシノ機を全部作ってみようと思って、全部作りましたがそのうちの一機です。

MML:全部作ったのですね。ムサシノ機を全部ということは、ムサシノになにかひかれるものを感じたということでしょうか?

岡野 :館林氏の本を読んだり、記事を見たりしましてその考えに共感した事と、いかにも模型飛行機らしいスタイルに惹かれたからです。

MML:そのモスキートモス号は今も持ってあるのですか?

岡野 :現在は持っておりません。作って半年くらいでしょうか。その当時、通っていた模型屋さんのクラブでは電動の人がほとんどでした。エンジンで飛ばすなら上げる、と言ったところ飛ばしてみると言う人がいまして、それじゃ差し上げますと言うこと譲ってしまいました。勿論、無料です。その人は、かなり長い間楽しんだようです。

MML:そうですか。もらった方が長い間楽しめたということはやはりしっかり作ってあったということでしょう。半年くらい飛ばしてあったということですが、その間、モスキートモス号のフライトでどこが面白かったですか?

岡野 :やっぱり低速飛行と低空飛行、クラシカルなスタイルでしょうね。

MML:低速飛行はモスキートモス号の得意中の得意ですから、低空飛行も安全に楽しくできますよね。スタイルも近くで飛ぶのを見るとトラスがいい雰囲気で、ほんとに茫然と眺めてしまいます。
 逆に面白くないと思ったところはありますか?

岡野 :やはり強風では無理な事ですね。

MML:そうですね。できれば無風でひたすらすべるように飛ぶか、わずかな風を受けながら悠々と飛ぶのが一番似合っているように思います。
 モスキートモス号の製作でどこが難しかったですか?

岡野 :難しくはないですね。トラス構造が面倒なだけです。

MML:同感です。難しいところや取り立てて作りにくいということはないです。トラスも取り掛かってしまえばただ切って、くっつけていくだけですから。ここを敬遠することなんてないと思います。
 モスキートモス号で、こんなフライトが面白い、というものはありますか?

岡野 :よく広場で鉄棒の間くぐらせたりして遊びましたが面白かったです。カメラを積んで空撮なんかもしました。

MML:ムサシノのビデオでは木立の間を飛ばすというのもありますが、自由に飛ばせるようになるとモスキートモス号なら特に簡単にできると思います。低速でも舵はよく効きますから一か八かなんかじゃなくて本当に自由に楽しめるんですね。それと空撮は今度私もぜひやろうと準備しているところです。
 壊したりしたことはありますか?

岡野 :壊したと言うほどではありませんが、木に引っ掛けたことがあります。翼の絹が少し破れました。私は今でもほとんど絹張りです。

MML:絹張りですね。とりさんのページを見ても本当に綺麗に仕上がっていて素晴らしいです。フィルムなどに比べて絹はどういうところが魅力ですか?

岡野 :フィルムよりも美しいです。…これは見た人、大抵の人がそう言います。張ってから長い時間が経っても、しわがよることがありません。ただ、大変な手間と時間がかかりますし、費用もかかります。絹の価格はフイルムとさほど変わりませんが、それを張るためのドープ、シンナー、ドープサイザー、リターダー等が必要です。プレイリー号でドープ1リッター位使います。薄く伸ばしたものを、20回から30回位重ね塗りします。濃い物を塗ると綺麗に仕上がりません。ドープは皮膜が薄いので1リッター塗っても重量は僅かです。こんな所ですが、実はフイルム上手に張れません。それが一番の理由です。

MML:岡野さんはモスキートモス号のどこに魅力があると思いますか?

岡野 :クラシカルなスタイルと、低速飛行でしょうね。

MML:岡野さんはムサシノ機の製作を請け負ってたくさん作られたとお聞きしています。よろしければその辺のお話をお聞かせ願えますか?

岡野 :12、3年位前からだったと思いますが、私の機体を見た人がぜひ作って欲しいと言うことだったのですが,模型屋さんのクラブでしたので,お店を通して下さいと言うことで、作り始めました。自分で言うのも何ですが、作りはまずまずでしたし、絹張りが珍しがられまして、次々依頼されまして作りました。まあ、ムサシノ機は簡単に作れますから、その気になれば2日で出来ます。一番沢山作ったのはハミングカブ号でしょうか、上翼に少し後退角付けまして、多分、30機は作ったと思います。そんなこんなで何機作ったか数えていませんが、多分100位は作ったように思います。
 なんか、とんでもない値段付けて売っていましたが、模型屋さんがですよ、よく売れていました。良い時代でしたね。その模型屋さんも2年ほど前、店じまいしてしまいました。スタント関係の機体は他に作る人がいまして私は作りませんでしたし、頼まれても断りました。

MML:さすが仕上げも綺麗なわけです。凄いですね。まさしくセミプロ、いや超プロ級の腕ということの証明でしょう。
 ところでその頃、85年くらいはムサシノにとってもスタント一辺倒の時代で厳しかったようなことを聞いていますがそのあたりとの関係も何かありましたら教えてください。

岡野 :スタント一辺倒の時代の件ですが、私の周りではあまり感じませんでしたが、それでも初めての機体にスタント機買っていく人がいましたが、店主は、「それでは指導出来ません」なんて言っておりましたが買っていく人はおりました。それで当然うまく飛ばせなくて私のヒコーキ買ってくれた人もおりました。

MML:やはり知らないとスタント機とかゼロ戦とかかっこいいのをほしくなるんですよね。はじめからではとても無理です。今のようにフライトシミュレータがあればどれだけ難しいか分かると思いますし、あるいはフライトシミュレータで練習を積めばいきなりでも飛ばせるかもしれません。
 ところで岡野さんはディーゼルエンジンにこだわりを持ってあるようですが、ディーゼルの魅力や特徴などをディーゼル初心者向きに教えてください。

岡野 :私、人と同じなんて言うのはあまり好きではありません。つまり、変人でしょうか。模型ヒコーキは趣味ですから、ああだこうだと苦労したいわけです。ディーゼルエンジンや1スティック使うというのもこだわりです。エンジンも、ほとんど海外から手間かけて手に入れていますし、燃料も自分で作ります。ディーゼルの魅力は他の人が使っていないこと、色々と手間暇掛かることです。初めての方は始動に苦労されるようですが、ノウハウは一言では言えません。慣れれば、実用に勿論差し支え有りませんし、大きなプロペラを回せますからムサシノ機にピッタリだと思いますし、事実その通りです。

MML:私も変わったものが好きなのでディーゼルはいろいろ手を出しています。エンヤの11CX−Dを先日入手しまして、非常に綺麗でしっかりしているので大変気に入りました。近いうちにモスキートモス号にも積んでやろうと思っています。
 では最後になりますが、これからモスキートモス号を作ろう、飛ばそうという方に励ましのメッセージをお願いします。

岡野 :製作は少し面倒な部分が有りますが、正確に作って下さい。特に翼は、定盤の上で正確に。また、ぜひ絹張りに挑戦してみて下さい。

岡野 :MMLは楽しく見せて頂いておりますが、写真をもう少し鮮明な物だとより良いと思います。

MML:岡野さんどうも有難うございました。今後のますますの活躍を期待しています。

 


岡野さんのモスキートモス号です。ゆったり感あふれる写真ですね。
 


ケースなど外回りは米国KRAFT社のものですが、中はJR381のメカニズムだそうです。
 


岡野さんと米クランシーエイビエイションのスピーディビーです。

 


 
岡野 光好さんのモスキートモス号の仕様
エンジン P.A.W.09ディーゼル (英国製)
プロポ フタバ1スティック
重量 多分 750g 位
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