the

Mosquito

Moth

Laboratory

 

バーチャルインタビュー  2001/03/14

バーチャルインタビューは、モスキートモス号ファンの方々にメールでアンケートをお願いし、それを元に対談形式に再構成したものです。インタビューに応じてくださった方の校閲を経て公開しており、脚色等は行っておりません。

今回のお客様:岩下 二郎さん
 
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 久々のバーチャルインタビュー、今回のお客様は岩下 二郎さんです。岩下さんは実機(MD90)のパイロットでもいらっしゃるということですが、実機シミュレータ教官もなさっているということです。 

趣味が高じて

MML:岩下さんこんにちは。岩下さんとはフライトシミュレータのFMSによってご縁ができました。早速ですが岩下さんのラジコン歴をお教えいただけますか? 

岩下:ちょうど40年です。小学5年ではじめましたが、その1年前はUコン、そのまえはゴム動力と由緒正しい模型少年の道を歩んでました。 

MML:40年とはまさに草分けの時代ですね。模型飛行機熱が高じて実機へとおっしゃっていましたが、よろしければそこについてもう少しお教えいただけますか? 

岩下:生まれが、群馬の桐生市で、隣の太田市に中島飛行機(現在の富士重工)がありまして、親父も親戚も飛行機好きでした。ちなみに愛車は2台とも富士重工のSUBARUです。 

 最初はシングルのボタン打ちでしたが、当時のメカは信頼性がなく、ベテランでも3−4回に1回は落としていました。私も数回に1回無事に飛べばいいほうで、この時代に修理技術とメカの調整、エンジンの調整をやむなく学んだと言えます。機体は、紙ばり+ラッカー+プルファ−か、絹ばり+ドープのみでもちろんフイルムなどありませんでした。 

 高校時代には中断していましたが、やはり模型少年の血が騒ぎ、TDAの自社養成PILOTの1期に応募して現在に至っております。飛ぶことが好きですので、仕事はまったく苦にならず、仕事以外でもRCばかりやっております。最近PILOTという職業好きのPILOTは多いですが、飛行機好きのPILOTが少なくなっておりますので、皆さんのお子さんや知人で、飛行機少年がおりましたら、ぜひ、PILOTになるようにお勧めください。 

MML:素晴らしいですね。本当に飛行機が好きでとうとう極めたということになりますね。 
 さてラジコンのほうですが、モスキートモス号以外にもお持ちになっているそうですが。 

岩下:扇セールプレーンのP.バレーが大好きで、オリジナルの設計図から07/25/41と各サイズを自作しています。(写真) 

MML:ちょっとクラシカルで優雅な機体ですね。美しい機体で、岩下さんの入れ込み具合が表れているようです。 
 モスキートモス号ですが、入手されたのはいつ頃ですか? 

低速フライトが可能

岩下:さだかではありませんが、15年ほど前です。 

MML:1985年くらいになりますね。モスキートモス号を入手しようと思った理由は何ですか? 

岩下:当時は軽量メカが出回っておらず、モスしか低速フライトをできる機体がなかったように思います。 

MML:自分の機体もかなり修理や改造で重くなって1kg近くあると思うのですが、それでもとてもゆっくり飛びます。あの巨大翼の威力ということになるのでしょう。 
 現在でも所有されていますか? 

岩下:はい、2機あり1機は自作胴体でシングルボタン打ちが積んであります。 

MML:シングルボタン打ちメカニズム搭載機とは凄いですね。この仕様にされたわけをお聞かせください。 

岩下:これはたんなる、親父の懐古趣味と思ってください。重いし、27メガで1機しか飛ばせないし、信頼性はないし、大変ですが、だめな息子ほどかわいい感じです。 

MML:それにしても素晴らしいこだわりです。私も含め、現代のプロポしか知らない人たちが見たらきっとひどく驚くでしょう。逆にモスキートモス号の自律安定のよさにも通じることでしょうね。また絹張り仕上げということですが、これは今では珍しいのではと思いますが、そうなさったわけをお聞かせください。 

岩下:絹ばりは、10年以上長持ちしますし、はがれもなくきれいですよ。簡単ですので是非お勧めします。 

MML:一度勉強したいと思います。2機お持ちのモスキートモス号ですが、どういう点が気に入られたのでしょうか? 

岩下:特別な軽量メカでなくとも超低速フライトが楽しめる点ですね。しかし飛行中のサイドシルエットが実機感にかけます。 

MML:そうですねえ、こんな胴体の実機があったら、セールスにはあまりいい影響がないかもしれませんね(笑) 
 工作はどうでしたか。難しかったところなどは? 

岩下:胴体中央から後部の三角トラスとの接合部です。 

MML:あそこですね。あそこの接合にはとても気を使います。定盤に固定して、待ち針をたくさん打って…。最近瞬間でスポット接着してからエポキシを流すというのをやり始めて少しは作りやすくなりました。 
 通常フライトのほかに何かモスキートモス号の楽しみ方はありますか? 

岩下:水上機もけっこう行けます。簡単なフロートで充分です。ハンプもプレーニングも関係なく離水しますが、横風ですぐ転覆するので要注意です。 

MML:前にバーチャルインタビューに出ていただいたケイルさんも水上機にされていたようです。転覆は怖そうですね。まあ、地上に置いていても横風がくれば見事に転覆してくれますが(笑) 
 写真にもありますが胴体はオリジナルのようですね。 

岩下:胴体は自作です。しかしテールを伸ばしすぎると、主翼とのマッチングが悪くなり、旋回がきたなくなりました。 

MML:壊したことはありますか? 

岩下:木に激突は数回あります。やはりオリジナルの胴体はトラスとの接合部が弱く壊れました。5分間エポキシで直しました。

主翼のバランスが最高

MML:あのあたりは最近私も修理が込んできて、しょっちゅう折れるようになってきたのでカーボンとグラスで補強しました。おかげでそれからは今のところ折れずにすんでいます。 
 さて、岩下さんはモスキートモス号のどこが好きですか? 

岩下:主翼のバランス、2段上半角が最高です。 

MML:では、これからモスキートモス号を作ろう、飛ばそうという方に励ましのメッセージをお願いします。 

岩下:主翼は無改造がお勧めです。これだけ(MMLという形で)、モスに愛情を注がれると、ムサシノの館林さんも嬉しい限りでしょうね。 

 私が中学生時代に、当時日本選手権のシングル部門で連続優勝していた館林さんのフライトを見たことがありますが、すばらしいものでした。ラダーしかない機体で、わざと風上から左に30度くらいずらして進入し、着陸寸前にチョンと右舵を打って、ジャイロ効果と瞬間的な向かい風効果の頭あげで、エレベーターのない機体で、主輪から着陸する技術には驚きました。 

MML:館林先生のフライトはそんなに凄いものだったのですね。3系統も操縦できるのに、いまだに私は満足のいく着陸がたまにしか出来ません。基本が大事ですね。これからもモスキートモス号で腕を磨いていきたいと思います。 
 本日は貴重なお話をありがとうございました。

 
岩下さんの機体。胴体は自作で、メカはシングル。こんな小さな送信機で操縦するのですね。 
 

 
愛機のP.バレー。GP07エンジン仕様。ロジテックのワンスティックプロポという珍品も見えますね。 
 
 

 
 

 
 
岩下さんのモスキートモス号の仕様
エンジン OS10FP
プロポ フタバS3101X3/250ニッカド
重量(プロポ仕様) 950g
重量(シングル仕様) 1250g
 
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